2025年1月17日に公表された日本銀行「「生活意識に関するアンケート調査」(第100回<2024円12月調査>)」によると、1年前と比べて、現在の物価に対する実感は「上がった」と回答した人の割合が約9割です。暮らし向きについて「ゆとりがなくなってきた」との回答からも、現在の生活に対して満足しているとは判断できない方も多くなっています。

しかし、実は日本では資産を1億円以上保有している富裕層の世帯数が増加中です。

この記事では、日本における純金融資産1億円以上の富裕層ピラミッドや、元銀行員である筆者の視点からお金持ちになる方法を紹介します。

1. 日本の富裕層ピラミッドから見る「富裕層の割合」

ここでは、2023年3月に発表された株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」のデータをもとに、日本における富裕層の割合を紹介します。

1.1 〈日本における富裕層の定義〉純金融資産保有額が1億円以上5億円未満

はっきりとした定義はありませんが、野村総合研究所によると日本における富裕層は、世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上を「超富裕層」としています。

純金融資産保有額からみたマーケットの分類・世帯数・保有資産規模

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

日本全体のおよそ2.7%相当が、富裕層と超富裕層です。

また、全世帯の保有資産額は1632兆円ですが、富裕層と超富裕層世帯の保有資産は364兆円、全体の22.3%を占めています。

世帯数は少ないものの、富裕層と超富裕層に資産が集中し、保有資産の偏りがあることがうかがえます。

純金融資産保有額とは、預貯金、株式、債券、投資信託、生命保険などの世帯として保有資産から借入などの負債を差し引いた金額です。