3. 後期高齢者医療保険料と国民健康保険料を比較
74歳まで支払う国民健康保険料と、75歳以降に支払う後期高齢者医療保険料の平均保険料を比較してみます。ぞれぞれの平均保険料は以下のとおりです。
後期高齢者医療保険料
- 年額保険料:8万4988円
- 月額保険料:7082円
国民健康保険料(市町村)
- 年額保険料:9万1078円
- 月額保険料:7590円
国民健康保険料(組合)
- 年額保険料:19万2452円
- 月額保険料:1万6038円
平均額で見れば、市町村国保、国保組合のどちらに加入していても、75歳からは保険料が下がります。国保組合から後期高齢者医療保険に切り替わる人は、保険料負担が大幅に減る可能性もあるでしょう。
ただし、国民健康保険は市区町村で保険料率を決めているのに対し、後期高齢者医療保険は都道府県で保険料率を定めています。
また、国民健康保険は世帯ごと、後期高齢者医療保険は個人ごとに保険料が決まります。そのため「どちらの保険料が安くなるか」は一概にはいえないのです。
4. 後期高齢者保険料は都道府県ごとに明確な差がある
後期高齢者医療保険料は、地域によって明確な差が見られます。都心や大都市を抱える自治体は比較的高く、地方自治体は低めです。
とはいえ、賃金も地方によって異なります。また、会社員が将来受給する厚生年金は給与差によって受給額が決まるため、違いが生まれやすいです。そのため、保険料が安い自治体がお得だとは一概にはいえません。
いずれにしても、健康保険料の負担は生涯続きます。多くの人が年金から保険料が天引きされますが、支払いが厳しいと感じる人は一度自治体に相談してみるとよいでしょう。
参考資料
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「令和6年度からの後期高齢者医療の保険料について」
- 厚生労働省「後期高齢者医療の窓口負担割合の見直しについて(お知らせ)」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 厚生労働省「令和4年度 国民健康保険事業年報」
石上 ユウキ