今年は新NISAがスタートしてから2年めの年。旧NISA時代からNISA口座数は年々増加しており(※)、関心の高さがうかがえます。※金融庁「NISA口座の利用状況調査 2024年9月末時点」より

新NISAは、旧制度とは異なり、非課税期間や口座開設期間に期限がありません。そのため、投資上限額はあるものの、18歳以上であれば(※)、いつでもスタートできるのがメリットです。※1月1日時点

そこで今回は、50歳代から新NISA口座で積立投資をした場合、65歳までに資産がどのくらい増えるかについてシミュレーションします。老後資金を貯めたいとお考えの方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

1. 【新NISA】年代別のNISA積立投資希望額

「少額非課税制度」であるNISAは、国民の資産形成を支援するために作られた制度です。2024年からスタートした新NISAには、2つの投資枠「つみたて投資枠」「成長投資枠」があり、これらを通じて非課税で投資をおこなうことができます。

とはいえ、NISAを通じて購入できるのは、元本割れの可能性があるリスク性商品です。そのため、投資する金額は、家計の状況や個人のリスク許容度に応じ、負担のない額に設定するのが適切です。

参考までに、「2023年(令和5年)投資信託に関するアンケート調査(NISA、iDeCo等制度に関する調査)報告書」から、年代別の積立投資希望額についてみていきましょう。

1.1 成長投資枠での積立投資希望額(月額平均)

【50歳代】

  • 2万円未満:35.9%
  • 4万円未満:28.0%
  • 8万円未満:14.4%
  • 12万円未満:10.3%
  • 16万円未満:1.4%
  • 16万円以上:10.1%

【全体】

  • 2万円未満:38.4%
  • 4万円未満:27.8%
  • 8万円未満:15.5%
  • 12万円未満:8.9%
  • 16万円未満:1.2%
  • 16万円以上:8.2%

つみたて投資枠とは異なり、成長投資枠は一括投資と積立投資、両方が可能です。

成長投資枠で毎月一定金額を積み立てたいと希望している方(全年代)のうち、いちばん多かったのが、積立希望金額「2万円未満」で38.4%でした。

50歳代も2万円未満を希望する方が多い一方、「12万円未満」「16万円未満」「16万円以上」の割合も多く、合計すると全体の22%を占めています。より多くの金額を積み立てたいという意向があるのがわかります。

50歳代は他の年代と比較して収入が多いことに加え、老後生活が目前に迫っていることもあり、資産の増加ペースを上げていきたいという考えがあるかもしれません。

参考:成長投資枠とは?

旧NISAの一般NISA枠を踏襲している「成長投資枠」では、つみたて投資枠で購入できる投資信託・ETF、それ以外の投資信託(ハイリスク投信等は除く)、株式などで、積立投資や一括投資が可能です。

つみたて投資枠と比較すると商品選択の自由度が高いので、つみたて投資枠と組み合わせて、自身のリスク許容度に応じたポートフォリオを組むこともできます。年間の投資上限額は240万円。

1.2 つみたて投資枠での積立投資希望額(月額平均)

【50歳代】

  • 1万円未満:21.0%
  • 2万円未満:25.4%
  • 4万円未満:20.6%
  • 6万円未満:12.1%
  • 8万円未満:3.3%
  • 8万円以上:17.6%

【全体】

  • 1万円未満:23.0%
  • 2万円未満:25.6%
  • 4万円未満:22.4%
  • 6万円未満:11.0%
  • 8万円未満:3.1%
  • 8万円以上:14.9%

つみたて投資枠で積み立て投資を希望している方(全年代)のうち、積立希望額を「2万円未満」とした方が最も多く、全体の25.6%となっています。

50歳代の場合、「6万円未満」「8万円未満」「8万円以上」の割合も多く、全体の33%を占めています。他の世代と比べ、比較的大きな額を積み立てたいという意向をお持ちの方が多いようです。

参考:つみたて投資枠とは?

旧NISAのつみたてNISAを踏襲した制度で、長期・積立・分散投資に適した投資信託、ETFが購入可能です。

積立投資枠で購入できる投資信託、ETFは、あらかじめ決められていますが、運用コストが低く、長期投資向きなので、投資初心者の方も選びやすいラインナップになっています。投資上限額は年間120万円。

2. 50歳からの積立投資シミュレーション!65歳までにいくらになる?

それでは、実際に積立投資をするといくらになるのか、シミュレーションしていきましょう。

投資金額は毎月3万円、期待リターン3%、5%、7%とし、65歳まで運用を行ったものとして計算します。

下記はすべて期待リターンのみの計算結果です。リスクについては考慮していません。そのため、将来の運用成果を約束するものではなく、また実際に得られる運用成果とは異なります。あくまで参考値としてご覧ください。

※下記のシミュレーションには、金融庁「つみたてシミュレーター」を使用しています。

2.1 【投資開始年齢別】毎月3万円・期待リターン3%・65歳まで投資した場合

  • 50歳~:681万円(元本540万円 +141万円)
  • 51歳~:625万円(元本504万円 +121万円)
  • 52歳~:572万円(元本468万円 +104万円)
  • 53歳~:519万円(元本432万円 +87万円)
  • 54歳~:468万円(元本396万円 +72万円)
  • 55歳~:419万円(元本360万円 +59万円)
  • 56歳~:371万円(元本324万円 +47万円)
  • 57歳~:325万円(元本288万円 +37万円)
  • 58歳~:280万円(元本252万円 +28万円)
  • 59歳~:236万円(元本216万円 +20万円)

2.2 【投資開始年齢別】毎月3万円・期待リターン5%・65歳まで投資した場合

  • 50歳~:802万円(元本540万円 +262万円)
  • 51歳~:728万円(元本504万円 +224万円)
  • 52歳~:657万円(元本468万円 +189万円)
  • 53歳~:590万円(元本432万円 +158万円)
  • 54歳~:527万円(元本396万円 +131万円)
  • 55歳~:466万円(元本360万円 +106万円)
  • 56歳~:408万円(元本324万円 +84万円)
  • 57歳~:353万円(元本288万円 +65万円)
  • 58歳~:301万円(元本252万円 +49万円)
  • 59歳~:251万円(元本216万円 +35万円)

2.3 【投資開始年齢別】毎月3万円・期待リターン7%・65歳まで投資した場合

  • 50歳~:951万円(元本540万円 +411万円)
  • 51歳~:852万円(元本504万円 +348万円)
  • 52歳~:760万円(元本468万円 +292万円)
  • 53歳~:674万円(元本432万円 +242万円)
  • 54歳~:594万円(元本396万円 +198万円)
  • 55歳~:519万円(元本360万円 +159万円)
  • 56歳~:450万円(元本324万円 +126万円)
  • 57歳~:385万円(元本288万円 +97万円)
  • 58歳~:324万円(元本252万円 +72万円)
  • 59歳~:267万円(元本216万円 +51万円)

3. 【参考】投資金額を5万円に増やした場合

3.1 【投資開始年齢別】毎月5万円・期待リターン3%・65歳まで投資した場合

  • 50歳~:1135万円(元本900万円 +235万円)
  • 51歳~:1042万円(元本840万円 +202万円)
  • 52歳~:953万円(元本780万円 +173万円)
  • 53歳~:865万円(元本720万円 +145万円)
  • 54歳~:781万円(元本660万円 +121万円)
  • 55歳~:699万円(元本600万円 +99万円)
  • 56歳~:619万円(元本540万円 +79万円)
  • 57歳~:542万円(元本480万円62万円)
  • 58歳~:467万円(元本420万円 +47万円)
  • 59歳~:394万円(元本360万円 +34万円)

3.2 【投資開始年齢別】毎月5万円・期待リターン5%・65歳まで投資した場合

  • 50歳~:1336万円(元本900万円 +436万円)
  • 51歳~:1213万円(元本840万円 +373万円)
  • 52歳~:1096万円(元本780万円 +316万円)
  • 53歳~:984万円(元本720万円 +264万円)
  • 54歳~:878万円(元本660万円 +218万円)
  • 55歳~:776万円(元本600万円 +176万円)
  • 56歳~:680万円(元本540万円 +140万円)
  • 57歳~:589万円(元本480万円 +109万円)
  • 58歳~:502万円(元本420万円 +82万円)
  • 59歳~:419万円(元本360万円 +59万円)

3.3 【投資開始年齢別】毎月5万円・期待リターン7%・65歳まで投資した場合

  • 50歳~:1585万円(元本900万円 +685万円)
  • 51歳~:1420万円(元本840万円 +580万円)
  • 52歳~:1267万円(元本780万円 +487万円)
  • 53歳~:1123万円(元本720万円 +403万円)
  • 54歳~:990万円(元本660万円 +330万円)
  • 55歳~:865万円(元本600万円 +265万円)
  • 56歳~:749万円(元本540万円 +209万円)
  • 57歳~:641万円(元本480万円 +161万円)
  • 58歳~:540万円(元本420万円 +120万円)
  • 59歳~:446万円(元本360万円 +86万円)

4. 新NISAを活用するなら、50歳代は早めのスタートを!

つみたて投資は、長く続けることで投資元本が徐々に増加し、複利効果が尻上がりに高まります。早めに投資をスタートすれば、それだけ投資元本が大きくなるので、複利効果を得る上において有利です。

また、つみたて投資は投資機会を分散させていることにもなるので、取得単価を平準化する効果が期待できます。積立を継続することで、徐々にリスクが小さくなり、元本割れの可能性も低くなります。

新NISAを活用するなら、50歳代は早めのスタートを!1/1

新NISAを活用するなら、50歳代は早めのスタートを!

出所:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

50歳代はリタイアまでの期間が短いため、リタイア後も投資の継続をおすすめしたいところですが、収入や健康上の理由などから、リタイア以降は投資を続けることが難しくなる場合もあります。

積み立てはストップしたとしても、運用自体は継続することができるので、リタイア後の運用は低リスク資産にシフトしつつ、減らさない運用を続けることを検討してみましょう。

運用中の資産は生活に必要な分だけを解約できます。最近は、運用しながらお金を取り崩した場合をシミュレーションできるサイトもあり、運用していない資産(普通預金など)からお金を取り崩す場合と比較することもできます。

老後の生活費などを計算するとき、利用してみてはいかがでしょうか。

参考資料