2. 想定外のリアクションに驚き

@kaimei1898さんは、創業126年目の墨汁メーカー「開明株式会社」の公式アカウント。書道文化を後世に残すためにさまざまな書道用品を企画・販売しています。

そんな@kaimei1898さんが新しい層へのアプローチを狙って開発したのが、話題となったこんにゃくのような硯だったのです。

こんにゃくのような独特の質感は、耐油製の強い樹脂と天然素材を配合した特殊エンプラ製によるもの。さらに鋒鋩(磨る面)に施された人造ダイヤモンドの砂粒が、よりこんにゃく感を演出していますね。

そんな硯は「未来硯」と名付けられて、新春の文具見本市に並ぶことに。いままでにないクリアで斬新な硯に賞賛を期待して見本市に臨んだそうですが、お客さんからのリアクションは想定外だったと言います。

少しキラキラしている硯

少しキラキラしている硯

出所:@kaimei1898

@kaimei1898さんに当時の心境を伺うと、「想定の反応とまったく違うリアクションで自分のセンスがズレていたと意気消沈し困惑しましたが、途中から開き直りました」とのこと。

この投稿に、返信や引用欄では、「欲しい」「これはみごとなコンニャクですね」「おいしそう」といったコメントが続出しています。

3. 書道用具(伝統的工芸品)の生産額は?

個性的な硯が話題となったことに関連し、ここからは「書道用具」の生産額を紹介します。

文化庁が公表している「令和2年度生活文化調査研究事業(書道)報告書」によると、2017年度の書道用具(伝統的工芸品)の生産額は、文具が10億6000万円、和紙が3億5600万円。

1990年から2017年にかけて、生産額は文具で約 1/10、和紙で約 1/6に減少しています。

いかがだったでしょうか。今回は、Xで話題になっているこんにゃくみたいな硯を紹介しました。

参考資料

小野田 裕太