2月14日の年金支給日まであと半月ほど。現行の金額での支給は、2月と4月の残り2回です。今年度は月あたりで最大6万8000円の基礎年金が支給されています(昭和31年4月1日以降生まれの場合)。ここに厚生年金が加わり、年金標準額は夫婦世帯で月22万8372円となっています。

1月24日に、2025年度の年金額が厚生労働省から発表されました。金額は物価や賃金の上昇などをもとに決定されますが、そのなかでも特異な役割を担うのが「マクロ経済スライド」です。

この記事では、2025年度の年金額や、年金額調整の役割を持つマクロ経済スライドについて解説します。

1. 2025年度の年金額はいくら?

厚生労働省が公表した2025年度の年金額は、以下のとおりです。

【写真全7枚中1枚目】2025年度の年金額の例。2枚目以降で、年金額の改定率の根拠やマクロ経済スライドについてチェック

2025年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」

  • 国民年金(月額):6万9308円(対前年度比+1308円)
  • 厚生年金(月額):23万2784円(対前年度比+4412円)
    ※昭和31年4月1日以前生まれの方の国民年金(老齢基礎年金)は、1人分で月額6万9108円。(対前年度比+1300 円)
    ※厚生年金は夫婦2人の老齢基礎年金を含む標準的な金額で、男性の平均収入で40年間就業した場合に受け取れる水準。

2025年度の年金は、国民年金が今年度と比べて1308円、厚生年金では4412円増加します。割合にすると1.9%の増加となっています。

一見すると年金額は増えたように見えますが、年金額は実質目減りしているのが現状です。なぜ年金が目減りしてしまっているのか、次章で解説します。