2025年1月24日に公表された消費者物価指数は、2020年を100として110.7と、前年同月比で3.6%の上昇となっています。食料品・エネルギーを除いたコアコア指数と呼ばれる数値は108.4で、前年同月比で2.4%の上昇です。

物価は上昇を続けていますが、実質賃金が昨年11月速報時点で0.3%のマイナスとなっていることなどから、私たちの生活は苦しい状況です。

こうした状況下で、住民税非課税世帯へは3万円の給付金の支給が行われます。すでに一部の自治体では、支給案内の送付などがされているようです。

最新の給付スケジュールは、どのようになっているのでしょうか。この記事では、住民税非課税世帯への3万円給付の概要や給付スケジュールを解説します。

1. 【3万円給付】住民税非課税世帯への給付金をおさらい

住民税非課税世帯への給付金は、今夏に続き実施される経済施策です。現時点では、以下の内容が決定しています。

【写真全4枚中1枚目】住民税非課税世帯への給付金について。2枚目では、年代別の住民税非課税世帯の割合を、3枚目では各自治体の給付までのスケジュール例をご紹介1/4

住民税非課税世帯への給付金

出所:内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~政策ファイル」

  • 住民税非課税世帯には一世帯あたり3万円を給付
  • 子どものいる世帯には子ども一人あたり2万円を追加給付

給付金額は、1世帯に対し3万円です。世帯を構成する人全員が住民税非課税である世帯が給付対象です。子どもがいる場合は、1人あたり2万円を追加で支給します。

補正予算では「物価高の克服」の対策として実施することが掲げられています。所得が低く物価高の影響を受けやすいため、迅速な支援をするとしています。

1月から各自治体で給付スケジュールが明示されはじめており、おおむね1月下旬から4月末ごろまでで手続きが行われるようです。

では、次章では住民税非課税世帯の割合について解説します。

2. 住民税非課税世帯の割合はどれくらい?

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」によると、調査対象世帯4674世帯のうち、住民税が非課税の世帯は以下のとおりでした。

《年代別》住民税非課税世帯の割合2/4

《年代別》住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 総数:1279世帯(27.4%)
  • 20歳代:52世帯(32.7%)
  • 30歳代:35世帯(12.0%)
  • 40歳代:52世帯(10.0%)
  • 50歳代:106世帯(13.6%)
  • 60歳代:212世帯(21.7%)
  • 70歳代:432世帯(35.9%)
  • 80歳代:389世帯(52.5%)
  • 65歳以上(再掲):955世帯(38.1%)
  • 75歳以上(再掲):611世帯(49.1%)

住民税非課税世帯は、全体の27.4%で約3割となっています。とくに高齢者世帯は、65歳以上の世帯が38.1%、75歳以上の世帯が49.1%と非課税世帯が多くなっています。

住民税非課税世帯に高齢者世帯が多いのは、年金所得に対する控除額の大きさが考えられるでしょう。公的年金等控除では、60〜64歳は年金収入60万円以下、65歳以上は110万円未満であれば税金がかかりません。

住民税が非課税になる所得金額は45万円程度のケースが多いため、収入が60〜64歳は105万円、65歳以上は155万円までなら非課税となります。

会社員が受けられる給与所得控除の最低額は55万円です。年金所得の控除額はほかの控除よりも大きい分所得が低くなりやすく、住民税が非課税になりやすいのです。

では、次章では給付金の申請時期について解説します。

3. 【自治体別】給付までのスケジュールをピックアップ

一部の自治体では、給付までのスケジュールが示されたり、すでに書類が送られていたりするようです。いくつかの自治体を例に、給付スケジュールを見てみましょう。

3.1 大阪府大阪市

  • 支給案内日(手続きなしの場合):1月27日(月)
  • 支給案内日(手続きありの場合):2月27日(木)
  • 支給予定日(手続きなしの場合):2月18日(火)から順次
  • 支給予定日(手続きありの場合):書類返送から約1ヶ月
  • 支給期限:4月30日(水)

3.2 千葉県船橋市

  • 支給案内日(手続きなしの場合):1月16日(木)
  • 支給案内日(手続きありの場合):1月下旬
  • 支給予定日(手続きなしの場合):ハガキに記載の指定期日の2週間後
  • 支給予定日(手続きありの場合):書類返送から約1ヶ月
  • 支給期限:4月30日(水)

3.3 東京都杉並区

  • 支給案内日(手続きなしの場合):1月27日(月)
  • 支給案内日(手続きありの場合):1月27日(月)
  • 支給予定日(手続きなしの場合):2月中旬
  • 支給予定日(手続きありの場合):書類返送から約1ヶ月
  • 支給期限:4月30日(水)

3.4 福岡県北九州市

  • 支給案内日(手続きなしの場合):1月20日(月)
    ※子ども加算は2月7日(金)
  • 支給案内日(手続きありの場合):1月31日(金)
  • 支給予定日(手続きなしの場合):2月7日(金)
  • 支給予定日(手続きありの場合):2月21日(金)から順次
  • 支給期限:6月2日(月)

3.5 岩手県一戸町

  • 支給案内日(手続きなしの場合):1月中旬
  • 支給案内日(手続きありの場合):1月中旬
  • 支給予定日(手続きなしの場合):記載なし
  • 支給予定日(手続きありの場合):記載なし
  • 支給期限:2月28日(金)

船橋市や一戸町のように、すでに手続き不要の人へは支給案内が届いている自治体もあるようです。1月下旬から各自治体で本格的に支給案内や申請書類の発送が始まり、2月中旬から末にかけて順次振込が開始されていきます。

一方、まだ具体的なスケジュールが示されていない自治体もあります。自治体のWebサイトや広報紙などで、情報を都度チェックしましょう。

次章では、支給対象外の世帯について確認します。

4. 支給の対象とならないのはどのような世帯?

現金3万円4/4

現金3万円

minianne/iStock.com

支給の対象とならない世帯は、以下のような世帯です。

  • 全員が住民税の課税されている人の扶養親族である世帯
  • 住民税課税対象の所得があるにもかかわらず、未申告の人がいる世帯
  • 租税条約による住民税の免除を受けている人がいる世帯
  • 地方税法の規定による青色事業専従者および事業専従者のみで構成される世帯
  • 均等割のみ課税されている世帯(※対象とする自治体もあり)

世帯構成員が全員住民税非課税であっても、どのような条件で非課税となっているかによって、支給対象かどうかが変わります。たとえば、子どもの扶養を受けている高齢者世帯は、給付金の対象外です。

また、本来課税されるべき所得があるにもかかわらず、申告していない人がいる場合も、その世帯に給付金は支給されません。課税される所得がある場合は、住民税申告をして税額を確定させてください。

今回の3万円給付では、所得割が非課税で均等割のみ課税されている世帯は、支給の対象外です(対象とする自治体もあり)。

昨夏行われた10万円給付は支給対象でしたが、今回は支給の対象から外れています。「私の世帯は住民税がほとんどかかっていないのに」と気になった人は、一度自治体に相談してみるとよいでしょう。

5. まとめ

住民税非課税世帯への給付金は、今回も3〜4ヶ月程度の期間で手続きが行われます。対象となる人で申請が必要な人は、忘れずに手続きを済ませてください。

ガソリン補助金の終了により、住民税非課税世帯に限らず多くの国民が物価高に苦しんでいます。通常国会が始まりましたが、予算を適切に執行する財源に関する議論だけでなく、私たちの生活が上向くような議論が求められるでしょう。

※申請期限や手続き方法などは、自治体によって異なります。LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

石上 ユウキ