シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は「セブン‐イレブン・ジャパン」、「イトーヨーカ堂」、「ヨークベニマル」、「そごう・西武」等を運営しているセブン&アイホールディングスの2018年8月の月次動向及び過去実績動向について振り返ってみましょう。
直近の月次実績はどうであったか
セブン&アイホールディングスの主要事業会社の2018年8月の月次実績を確認していきましょう。
「セブン‐イレブン・ジャパン」の既存店売上高は対前年同月比102.0%となり、プラス成長となりました。その内訳としては、客数が同100.0%、客単価が同102.0%と客数は横ばいながらも、客単価が牽引した格好です。
「イトーヨーカ堂」の既存店売上高は同99.9%とややマイナス成長となりましたが、ほぼ横ばいといえるでしょう。その内訳は、客数が同98.9%、客単価が同101.1%と、客数のマイナス成長が足を引っ張りました。
「ヨークベニマル」の既存店売上高は同99.7%とこちらもややマイナス成長となりました。その内訳は、客数が98.7%、客単価が100.9%とこちらも客数のマイナス成長が既存店売上高のマイナス成長の背景となっています。
「そごう・西武」の既存店売上高は同99.6%、また全店ベースでは同85.8%となっています。
「セブン&アイ・フードシステムズ(デニーズ)」の既存店売上高は同103.2%とプラス成長となりました。その内訳は、客数が同97.7%、客単価が同105.6%と客単価の上昇が売上高の成長を大きくけん引しています。
今期の既存店動向の振り返り
最大の注目ポイントである「セブン‐イレブン・ジャパン」の2018年3月からの既存店売上高の動向ですが、各月とも100%を超えており、プラス成長を続けてます。
また、その内訳をみるとやや温度差があるというのが実際です。客単価は各月においてプラス成長であるのですが、客数に関しては、2018年4月、5月、6月、7月とマイナス成長が続きました。8月は先ほども見たようにプラス成長となりましたので、今後も注視する必要がありあンスが、一旦は改善したといえるでしょう。
過去1年の株価動向はどうか
最後に株価もチェックしておきましょう。足元、9月に入って株価が大きく値を上げていますが、それ以前はボックスレンジでの推移となっていました。
これまで見てきたように各社の既存店売上高、特に「セブン‐イレブン・ジャパン」の既存店売上高には注目が引き続き集まるでしょう。また、その客数の動向は今後ECとの競争も激化することが予想されますから、中長期的にもその成長率には注目です。
青山 諭志