4. 「3000万円」を目標とした積立投資のシミュレーション
金融庁の「つみたてシミュレーター」を用いて、「3000万円」を目標とした積立投資のシミュレーション結果を見ていきます。
4.1 シミュレーションの前提条件
- 目標:60歳で3000万円到達
- 想定:年率4%で運用できたケース
4.2 投資開始年齢:投資期間・月々の積立額
- 30歳:30年・4万3225円
- 35歳:25年・5万8351円
- 40歳:20年・8万1794円
- 45歳:15年・12万1906円
年利4%で運用できると仮定すると、60歳までに3000万円を貯めるには、30歳から毎月約4万円を積み立てれば目標に届きます。一方、45歳から毎月約12万円を積み立てなければなりません。
これは、投資期間の長さが大きく影響するためです。運用期間を長くとることで、複利の効果を十分に活かし、効率よく資産を増やせる確率が高まります。
老後資金を計画的に準備するためには、資産運用は20代、30代のうちにスタートするのが有効です。複利効果を最大限に活かし、毎月の支出を抑えながら、目標金額に近づいていけると良いですね。
※ただし、つみたて投資はリスクを分散できる有効な手段ではありますが、あくまでも投資です。実際の運用成績は事前に約束されているものではなく、元本割れのリスクがある点には注意が必要です。
5. まとめにかえて
今回はシニア世代の貯蓄事情について確認しました。老後に備えるためには、早めの資金準備が重要です。老後資金を準備する方法にはさまざまな選択肢がありますが、最近は物価上昇の影響もあり、資産運用を取り入れる方が増えています。
2024年からスタートした新NISAは、運用益が非課税になる制度で、国の後押しもあり、投資を始めやすい環境が整っています。ただし、運用にはリスクが伴うため、ご自身のリスク許容度に合った商品や制度を選び、無理のない範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 株式会社帝国データバンク「カレーライス物価指数」調査―2024年12月分カレーライス物価、1食386円 9カ月連続で最高値 5年間で4割高、食卓で記録的な物価高続く 野菜類の値上がりが影響(PR TIMES)
LIMO編集部