2025年2月10日、帝国データバンクは2024年12月の「カレーライス物価(※)」を公表しました。これによると、カレーライス物価は前年同月比で67円上昇し、1食あたり386円となり、9カ月連続で過去最高を記録する結果となりました。

食料品をはじめとする生活必需品が値上がりしていることは、毎日の生活でも実感する部分ではないでしょうか。

筆者はFPとして業務を行っています。同じ年代のお客様でも、お金に関して抱える悩みは人それぞれです。

シニア世代のご相談では、「老後資産が足りず、貯蓄を取り崩して生活している」という方がいる一方で、「十分な資産はあるが、相続や資産管理に悩んでいる」という方もおり、資産状況には大きな差があると感じます。  

今回は、60歳代と70歳代で貯蓄3000万円以上ある人と、貯蓄ゼロの人の割合について確認していきます。老後の生活設計を考える際の参考になれば幸いです。

1. 【60歳・70歳代が考える】年金スタートまでに《最低いくら準備しておく?》

【70歳代が考える】年金支給時に最低準備しておく金融資産残高は「1738万円」

【70歳代が考える】年金支給時に最低準備しておく金融資産残高は「1738万円」

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」の結果によると、「ひと月当たりの最低生活費」の平均は60歳代で31万円、70歳代で35万円。

また「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」の平均は、60歳代で2110万円、70歳代で1738万円です。

もちろんリタイアまでに準備しすべき老後資金は、ライフスタイルや健康状態、そして年金受給額などにより人それぞれです。

では、イマドキのシニア世代は実際にどの程度の貯蓄があるのでしょうか。同調査結果をもとに、60歳代・70歳代の二人以上世帯の貯蓄事情に迫ります。