2025年1月~3月は政府の経済対策により電気代・ガス代の補助が出ています。しかし、ガソリンの補助金は廃止、食品や生活必需品の価格は上昇が続き、家計への負担は大きくなる一方です。

お金に関する問題が増えることで、将来迎える老後生活に不安を抱いている方も増加傾向にあるようです。

老後資金を準備する方法として「新NISA制度」を活用した積立投資を行う人がいますが、たとえば50歳から65歳までの15年間、毎月いくら積立投資すれば「1000万円」をつくることができるのでしょうか。

本記事でシミュレーションをしていきます。あわせて50歳代の貯蓄額についても確認していきましょう。

1. 【50歳代・単身世帯】平均貯蓄額(平均・中央値)はいくら?

50歳代になると、定年後の過ごし方や老後の生活に思いを巡らせる人が増えてきます。

すでに老後資金の準備を始めている方も多いかもしれませんが、同じ年代の貯蓄状況が気になるところです。

そこで、50歳代の貯蓄状況を「単身世帯」と「二人以上世帯」に分け、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに見ていきます。

※本章で確認する貯蓄額(金融資産保有額)には、預貯金以外に株式・投資信託・保険などの金融商品残高が含まれます。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

【写真1枚目/全3枚】【円グラフ】50歳代単身世帯の貯蓄額/2枚目以降【円グラフ】50歳代二人以上世帯の貯蓄額

【円グラフ】50歳代単身世帯の貯蓄額

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

1.1 【50歳代・単身世帯】平均貯蓄額と中央値

  • 平均:1087万円
  • 中央値:30万円

1.2 【50歳代・単身世帯】金額階層別の世帯割合

  • 金融資産非保有:40.2%
  • 100万円未満:13.1%
  • 100~200万円未満:4.1%
  • 200~300万円未満:2.7%
  • 300~400万円未満:3.8%
  • 400~500万円未満:1.9%
  • 500~700万円未満:3.3%
  • 700~1000万円未満:3.8%
  • 1000~1500万円未満:5.5%
  • 1500~2000万円未満:3.3%
  • 2000~3000万円未満:3.8%
  • 3000万円以上:11.2%
  • 無回答:3.3%

50歳代の単身世帯では、平均的な貯蓄額が1087万円に達している一方、中央値は30万円と大きな差が見られます。

これにより、貯蓄額にかなりのばらつきがあることがわかります。

特に注目すべきは、約4割の世帯が「貯蓄ゼロ」である点です。

貯蓄額が多い世帯も存在しますが、全体としては貯蓄が少ない世帯が多い傾向にあります。