3. 老後の生活費が足りないときの対処法3つ
老後の生活費が不足する場合、次のような方法でカバーすることを検討してみましょう。
3.1 定年退職後も働く
定年退職後も働いて収入を得ると、老後の生活費を確保できます。厚生年金に加入して働き続ければ、その分加入期間が延びるため、厚生年金の受給額も増やせます。
また、規則正しい生活を続けられるので健康維持にもつながり、社会とのつながりが保てるため、いきいきとした生活を送れるようになるでしょう。
ただし、年金と「月給+直近1年間の賞与の1/12」の合計が50万円を超えると、在職老齢年金により年金が減額されることに注意が必要です。
3.2 生活保護を受ける
健康状態や家庭の状況などで定年後に働くことが難しい場合は、生活保護の申請をする方法があります。年金受給者であっても、受給額が最低生活水準に満たない場合、申請をすることが可能です。
ただし申請するには、働ける状態にないことや、保有資産をまず生活費に充てること、扶養義務者からの援助を受けられないことなど、条件を満たす必要があります。
3.3 リバースモーゲージを利用する
持家を所有している場合は、リバースモーゲージを利用する方法があります。
リバースモーゲージとは自宅を担保にして借入する方法で、毎月の支払いは利息のみで済み、継続して自宅に住み続けることが可能です。元金は、借入人が死亡したときに一括返済されます。
取扱い金融機関によって、利用対象者や物件が異なるため、リバースモーゲージを利用する際にはいくつか比較検討し、ご自身に合ったサービスを利用することがポイントです。
また、金利上昇リスクや法定相続人などへの影響についても、十分に検討することが大切です。
4. まとめにかえて
公的年金だけでは老後の生活費が不足する場合は、定年退職後も働いたり、生活保護を受けたりするなどの方法があります。また、持ち家を所有している方はリバースモーゲージを利用するのもひとつの方法です。
しかし、できれば現役時代のうちに老後資金を準備しておけるのが理想です。銀行への預貯金やNISAなどの資産形成制度を活用して、早めに取り組んでいきましょう。同時に、生活費を見直し、無駄な支出を減らすことも効果的です。
参考資料
木内 菜穂子