老後の生活費を、年金だけで支払うことは難しいと感じている方もいるでしょう。実際に、年金だけの収入で生活できている高齢者世帯は約4割で、半数以上の世帯ではほかに何らかの収入を得ています。
現役時代に多くの貯蓄を準備しておければ良いですが、子どもの教育費や住宅ローンの支払い、また、近年の物価高の影響などにより思うように資産形成ができないことが考えられます。
では、老後の生活費が年金だけで支払えない場合、どのような対処法があるのでしょうか。本記事で解説していきます。
1. 年金だけで生活できているのは約4割
厚生労働省が公表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金だけで生活できている高齢者世帯は41.7%となっています。
約6割弱の世帯は、就労による収入や不動産収入など、公的年金以外に何らかの収入があることがわかります。
また、高齢者世帯のうち、「生活が苦しい(「大変苦しい」「やや苦しい」)」と感じている世帯は59.0%にも上り、2022年の48.3%よりも10.7%増加しています。
令和6年度の年金受給額は、令和4年度から2年連続で増加していますが、長引く物価高の影響で、生活費が苦しい世帯が多くなっていると考えられるでしょう。
では、実際に年金をどのくらい受給しているのか次章で確認していきます。