シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は外食チェーンの松屋フーズが運営する「松屋」の2018年8月の月次動向及び松屋フーズの直近の決算について振り返ってみましょう。
最新の月次動向はどうか
松屋が発表している2018年8月(確定)の既存店売上高は対前年同月比で101.0%とプラス成長となりました。また、その内訳ですが、客数が同97.7%、客単価が同103.3%と客数がマイナス成長、客単価がプラス成長いう形となりました。ざっくりといえば、客単価が客数の減少を補うという構造です。
また、2019年3月期の既存店売上高動向も振り返っておきましょう。2018年4月からの既存店売上高は7月の96.6%を除いては100%を超えています。ただ、既存店売上高の内訳でいえば、客数が100%を割れている一方で、客単価が100%を超えるという構造です。
直近の業績開示はどうであったか
続いて、直近発表されている同ホールディングスの決算について確認しておきましょう。
2018年7月31日に発表されている2019年3月期Q1決算ですが、対前年同期比+5%増、営業利益は同▲13%減と、増収減益という決算です。増収であるにもかかわらず収益が飲みないのは「吉野家の足元の業績はどうか」でみたように吉野家ホールディングスも同様です。
松屋フーズはQ1決算短信の中で以下のようにコメントしています。
売上原価につきましては、食材の仕入単価変動等により、原価率が前年同期の32.2%から32.7%に上昇いたしま した。 販売費及び一般管理費につきましては、売上高に対する比率が前年同期の63.9%から64.1%と増加いたしました。
売上高が好調である一方で売上原価と販管費の比率アップが収益の伸びの足を引っ張っているということになります。今後どのような収益管理をしていくのか、引き続き牛めし「松屋」を運営する松屋フーズに注目です。
青山 諭志