2024年12月に厚生労働省年金局から公表された「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2023年度末の老齢年金の平均受給額は国民年金が5万7584円、厚生年金が14万6429円です。

公的年金(老齢年金)の受給開始年齢は原則65歳から。本記事では、65歳以降の暮らしぶりを「貯蓄額」・「生活費」・「年金額」から確認していきます。

老後対策の参考にご覧ください。

1. 公的年金だけで生活できるシニア世帯は何パーセント?

厚生労働省が公表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活している世帯は全体の41.7%。年金受給世帯の半数以上が、働いて収入を得る、私的年金や運用益など、年金以外の所得により生活費をカバーしていることがわかります。

【写真全6枚中1枚目】公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合。2枚目以降で、65歳以上の家計収支表や《国民年金・厚生年金》年金月額などのお金事情を確認する!1/7

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

このことから、長く働く、金融資産を蓄えておくなどの対策が必要であることがわかります。

では、シニア世代の人たちは資産をどのくらい保有しているのでしょうか。

2. 【世帯主が65歳以上の世帯】貯蓄額はどのくらいある?

総務省「家計調査報告 貯蓄・負債編 2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」より、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄額について、貯蓄現在高階級別の世帯分布を確認していきます。

なお、以下の貯蓄額には預貯金以外に生命保険や有価証券などの金融資産が含まれています。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)2/7

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)

出所:総務省「家計調査報告 貯蓄・負債編 2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」

  • 100万円未満7.9%
  • 100万円以上200万円未満:4.1%
  • 200万円以上300万円未満:3.2%
  • 300万円以上400万円未満:3.7%
  • 400万円以上500万円未満:3.0%
  • 500万円以上600万円未満:4.1%
  • 600万円以上700万円未満:3.1%
  • 700万円以上800万円未満:3.1%
  • 800万円以上900万円未満:2.9%
  • 900万円以上1000万円未満:2.3%
  • 1000万円以上1200万円未満:5.5%
  • 1200万円以上1400万円未満:4.3%
  • 1400万円以上1600万円未満:4.3%
  • 1600万円以上1800万円未満:4.2%
  • 1800万円以上2000万円未満:3.2%
  • 2000万円以上2500万円未満:7.1%
  • 2500万円以上3000万円未満:6.6%
  • 3000万円以上4000万円未満:8.7%
  • 4000万円以上:18.8%
  • 平均:2462万円
  • 中央値:1604万円

上記のとおり、世帯主が65歳以上の世帯の平均貯蓄額は2462万円、中央値は1604万円。

貯蓄額が4000万円以上の世帯が2割近くいる一方で、1000万円に満たない世帯は4割近くを占めています。

万が一、十分な貯蓄がない状態で老後を迎えても、年金収入だけで生活できれば最低限の生活を維持できる可能性があります。では、老後の生活費はどのくらいかかるのでしょうか。

3. 【65歳以上の無職夫婦世帯】1カ月の生活費はいくら?

総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」より、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における、1カ月の家計収支を見てみましょう。

3.1 【家計収支一覧】

  • 実収入(天引き前の収入):24万4580円
  • 非消費支出(税金・社会保険料):3万1538円
  • 可処分所得(手取り収入):21万3042円
  • 消費支出:25万959円

▲3万7917円 《赤字》

【消費支出の内訳】

  • 食料:7万2930円
  • 住居:1万6827円
  • 光熱・水道:2万2422円
  • 家具・家事用品:1万477円
  • 被服及び履物:5159円
  • 保険医療:1万6879円
  • 交通・通信:3万729円
  • 教育:5円
  • 教養娯楽:2万4690円
  • その他の消費支出:5万839円

上記のとおり、毎月3万7917円 の赤字となっています。

次章では、2024年度の年金受給額の例について詳しく見ていきます。

4. 老齢年金「国民年金・厚生年金」平均受給額は月額どのくらい?

本章では、厚生労働省年金局の資料を参考に、現在のシニアが受給している「国民年金・厚生年金」それぞれの平均額を確認していきます。

4.1 国民年金(国民年金のみ受給)

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」による、国民年金の平均受給額・受給割合は下記のとおりです。

国民年金:平均受給額&受給割合4/7

国民年金:平均受給額&受給割合

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【国民年金(国民年金のみ受給)の平均受給額】

〈全体〉平均年金月額:5万7584円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

【国民年金(国民年金のみ受給)の受給額ごとの人数】

  • 1万円未満:5万8811人
  • 1万円以上~2万円未満:24万5852人
  • 2万円以上~3万円未満:78万8047人
  • 3万円以上~4万円未満:236万5373人
  • 4万円以上~5万円未満:431万5062人
  • 5万円以上~6万円未満:743万2768人
  • 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
  • 7万円以上~:227万3098人

4.2 厚生年金(国民年金と厚生年金を受給)

次に、厚生年金(国民年金を含む)を受給する場合の平均受給額や月額ごとの受給者数を確認していきます。

厚生年金:平均受給額&受給割合5/7

厚生年金:平均受給額&受給割合

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【厚生年金(国民年金と厚生年金を受給)の平均受給額】

〈全体〉平均年金月額:14万6429円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金の金額を含む

【厚生年金(国民年金と厚生年金を受給)の受給額ごとの人数】

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

※国民年金の金額を含む

国民年金は1万円未満~7万円以上、厚生年金(国民年金を含む)は1万円未満~30万円以上と個人差があります。

国民年金は定められた全員一律の保険料納付済期間に応じて決定するため、7万円を大きく上回ることはないでしょう。厚生年金も、保険料は年収に応じて決定しますが上限があるため、年金加入期間も影響しますが30万円を大きく上回ることは少ないと考えられます。

次章では厚生労働省が提示した、夫婦の現役時代の働き方別「年金額例」をご紹介します。

5. 働き方別:夫婦の年金額例を確認(共働き&片働き)

厚生労働省は、「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」にて収入や働き方別に、夫婦世帯の年金額例を掲載しています。

5.1 共働き世帯の「老後の年金額例」を確認

  • 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:24万9777円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
  • 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
  • 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
  • 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
  • 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
  • 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円

5.2 片働き世帯の「老後の年金額例」を確認

  • 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
  • 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
  • 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
  • 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円

このように、国民年金のみか厚生年金も受け取れるか、厚生年金なら現役時代の年収がどのくらいだったかによって年金受給額が大きく異なります。

ご自身の年金見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみると良いでしょう。

6. 安心して老後を迎えるために準備を

本記事では、65歳以上シニア世帯の「貯蓄額・生活費・年金額」を確認しました。

年金生活をより具体的にイメージできたのではないでしょうか。

安心して老後を迎え、理想とするセカンドライフを楽しむために、現役時代の早い段階から「備え」をしておきたいものです。

参考資料