現役時代に会社員や公務員などだった方は、老後に厚生年金を受給します。年金は老後の生活資金の柱となるものなので、できるだけ高い金額を受給できるのが望ましいです。

厚生年金受給額は、現役時代の年収や厚生年金への加入期間などにより計算されるため、一人ひとり金額が異なります。自分の受給額が平均よりも高いのか低いのか気になる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、最新のデータに基づく厚生年金の平均受給額や、月額15万円以上を受給している方の割合などについて解説していきます。

1. 【最新版】厚生年金の平均月額は14万6429円

厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は、月額14万6429円(国民年金を含む)です。年額にすると、175万7147円になります。

【写真全3枚1枚目】厚生年金の平均月額(令和4年度末・令和5年度末)、2枚目以降で年金月額階級ごとの受給権者数一覧表をチェック

厚生年金の平均月額(令和4年度末・令和5年度末)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

令和4年度の平均受給額は14万3973円だったので、2456円増えており、年額では2万9472円の増額です。

男女別の受給額を見ると、男性が16万6606円、女性が10万7200円となっており、女性よりも男性の方が5万9406円高額となっています。月額約6万円もの差が生じていますが、これには次のような理由があると考えられます。

厚生年金の受給額は、現役時代の年収や厚生年金への加入期間などにより決まり、年収が高いほど、また、加入期間が長いほど受給額も高額になるのが一般的です。

女性は男性よりも平均年収が低い傾向にあるうえ、出産や育児、介護などで休職や離職をするケースも多いことから、加入期間も短くなる傾向があります。再就職しても正規社員ではなく非正規社員である方が多く、休職・離職前の給与水準を受け取ることは難しいのが実情です。

こういった理由から、男性よりも受給額が低くなる傾向にあると考えられます。