2026年卒業の大学生や専門学校生の就職活動の開始が近づいてきました。すでにインターンなどで経験を積んでいる人もいれば、これから業界調査や面接対策に臨む人もいるでしょう。働きたい業界や企業とうまくマッチングでき、無事に就職活動を終えたいところです。
近年の賃上げの動きから、新卒の初任給を大幅にアップする大手企業が増えています。30万円近辺どころか、40万円まで引き上げる企業もあるようです。
新卒の初任給は、学歴や企業規模、業種などで異なります。それぞれの区分で見たとき、どのような差があるのでしょうか。この記事では、新卒の初任給を学歴別、企業規模別、産業別の3つの観点で比較します。
1. 初任給引き上げが増えている理由
大手企業が続々と初任給を引き上げている理由は、物価の上昇です。
2024年11月分の消費者物価指数の総合指数は、2020年を100として110.0まで上昇しています。今後の経済情勢が回復傾向にあると見られていることからも、各企業は物価上昇が今後も続くと予測し、従業員の生活を守るべく初任給を引き上げているのです。
このほか、求人倍率の上昇による採用競争の激化に対抗したい、スキルのある人材を早期に確保したいといった面からも、初任給を引き上げていると考えられます。
1.1 既存社員への給与引き上げの動きも
初任給を引き上げる企業は、あわせて既存社員への給与引き上げも実施することが多いようです。
2024年の春闘の最終集計では、賃上げ額が1万5281円、率にして5.10%となりました。2025年も昨年に引き続き、安定的な賃上げが求められています。高い賃上げ率を実現して、新卒と既存社員の給与体系が歪にならないよう対策をしているのです。
では、次章では初任給を3つの観点から比較しましょう。