老後生活の支えとなるのが、年金です。

ただし、年金は人によって受給額が異なり、なかには「月30万円以上」の年金を受給する人もいます。月30万円も年金をもらえれば、老後生活は安泰と考える人も多いかもしれません。

では、実際に月30万円の年金をもらう人はどれくらいいるのでしょうか。

本記事では、2024年12月に公表された厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、月30万円の年金を受け取る人の割合を紹介します。

月30万円の年金を受給するために必要な現役時代の年収も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 月額30万円以上の年金を受給する人の割合

では、さっそく月30万円以上の年金を受給する人の割合を確認しましょう。

厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。

なお、厚生年金の受給額には国民年金(基礎年金)部分が含まれます。

【写真全3枚中1枚目】厚生年金の年金月額階級別老齢年金受給権者数《一覧表》。2枚目では、平均年収ごとの目安年金受給額をシミュレーションしてご紹介!

厚生年金の年金月額階級別老齢年金受給権者数《一覧表》

出所:厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

1.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)

年金受給額 割合

  • 月額1万円未満 0.28%
  • 月額1万円以上2万円未満 0.09%
  • 月額2万円以上3万円未満 0.31%
  • 月額3万円以上4万円未満 0.58%
  • 月額4万円以上5万円未満 0.61%
  • 月額5万円以上6万円未満 0.85%
  • 月額6万円以上7万円未満 2.34%
  • 月額7万円以上8万円未満 3.97%
  • 月額8万円以上9万円未満 5.44%
  • 月額9万円以上10万円未満 6.73%
  • 月額10万円以上11万円未満 7.01%
  • 月額11万円以上12万円未満 6.57%
  • 月額12万円以上13万円未満 5.97%
  • 月額13万円以上14万円未満 5.75%
  • 月額14万円以上15万円未満 5.89%
  • 月額15万円以上16万円未満 6.14%
  • 月額16万円以上17万円未満 6.39%
  • 月額17万円以上18万円未満 6.56%
  • 月額18万円以上19万円未満 6.37%
  • 月額19万円以上20万円未満 5.84%
  • 月額20万円以上21万円未満 4.99%
  • 月額21万円以上22万円未満 3.90%
  • 月額22万円以上23万円未満 2.72%
  • 月額23万円以上24万円未満 1.78%
  • 月額24万円以上25万円未満 1.18%
  • 月額25万円以上26万円未満 0.75%
  • 月額26万円以上27万円未満 0.45%
  • 月額27万円以上28万円未満 0.25%
  • 月額28万円以上29万円未満 0.13%
  • 月額29万円以上30万円未満 0.06%
  • 月額30万円以上 0.09%
  • 平均年金月額 14万6429円

*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている

会社員や公務員としての勤務経験がある厚生年金受給者のうち、月30万円以上の年金をもらえる人の割合はわずか0.09%です。月30万円以上の年金を受け取れる人は、ほんの一握りであることがわかります。

また、厚生年金受給者の平均年金受給額は月14万3973円となっていて、月30万円の約半分です。

なお、上記の数値は会社員や公務員経験のある厚生年金受給者が受け取る年金額です。会社員や公務員経験がない自営業者や専業主婦(夫)は厚生年金を受け取れず、もらえる年金は国民年金のみとなります。

2024年度の国民年金は、満額で月6万8000円です。そのため、月30万円にはとても届きません。