【厚生年金と厚生年金】月額30万円以上の「高額受給者」もいるって本当？周りの平均受給額はどれくらいなのか

2. 年金月額30万円以上「高額受給者」の実態とは

ここでは年金受給額別の受給者数を確認することで、30万円以上を受給する高額受給者の実態を見ていきましょう。

厚生年金と国民年金を合わせて月額30万円以上受け取っている人は、全体のわずか0.09％。人数にして1万4292人のみです。

年金だけで月30万円以上もの収入を確保するのがいかに難しいかがわかりますね。

では、どのような人がこの水準の年金を受け取れるのでしょうか。次章で、月額30万円以上の年金を受け取るために必要な現役時代の平均年収を試算してみます。

年金が月額30万円以上になるには、現役時代にどれくらいの収入が必要なのが気になります。

ここでは、厚生年金の計算式に基づき、以下のモデルケースで具体的な年収を試算してみます。

老齢年金月額30万円のうち、満額の国民年金（年間83万1696円）を差し引けば、厚生年金部分となります。

つまり、厚生年金だけで年間約276万8304円、月額に換算すると約23万692円を受け取る必要がある計算になります。

この276万8304円の厚生年金を受け取るための「平均標準報酬月額（現役時の月収）」は、

上記から約105万2234円であることがわかります。年収に換算すると、約1262万円に相当します。

40年間で平均年収1262万円を稼ぐというのは、現実的には極めて困難な水準です。その結果、30万円もの年金を受け取れる人はとても限られることがうなずけますね。

30万円以上を受け取れる人であっても、現役当時の収入水準から大きく下がることになります。誰もが老後を迎えると収入が減るといえます。