2月14日は、2025年最初の年金支給日でした。2カ月に1度の年金支給日には、銀行ATMや窓口にお金を引き出しに来たシニア世代でやや混雑する様子が見られます。

筆者はファイナンシャルアドバイザーとして業務を行っていますが、年金受給者のお客様から「年金だけでは生活が厳しく貯蓄を取り崩しながら生活しているので何とかしたい」といったご相談を受けることがあります。

老後の大切な収入となる年金ですが、いったい月どのくらい受給できるのでしょうか。

本記事では、現シニア世代の年金受給額を厚生労働省の資料をもとに詳しく見ていきます。

1. 国民年金と厚生年金って何が違う?日本の年金制度をおさらい

まず、日本の公的年金制度について基本的な仕組みを確認してみましょう。

日本の年金制度は、主に「国民年金」と「厚生年金」の2種類で構成されており、これらは2階建て構造となっています。

【写真全5枚】1枚目/公的年金の仕組み。写真後半では働き方別の老後の年金額例を一覧で紹介

公的年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が加入する必要があり、一定期間以上保険料を納めることで受け取れる年金です。

この保険料は全員一律で、40年間保険料を未納なく納めれば、満額の年金を受け取ることができます。

次に、2階部分の「厚生年金」は、主に会社員や公務員などが加入する年金で、国民年金に上乗せする形で支給されます。

つまり、厚生年金に加入している人は、老後に「国民年金」と「厚生年金」の2つを受け取ることができます。

厚生年金の保険料は収入に応じて異なり、また、老後に受け取る金額は現役時代の給与や加入期間により変動します。

次章では、国民年金と厚生年金の平均月額について、さらに詳しく見ていきます。