2025年も値上げラッシュが止まりません。ガソリンがキャベツが、そして卵が、値上がりしているもので生活に必要なものを上げていけばきりがありません。
特に、収入が一定である年金生活者はこれまでと同じ生活をするにも貯蓄を取り崩していかなければ、最低限の生活を続けることも難しくなるのは容易に想像できます。
今回は、そんな65歳以上の年金生活者がどのように日々の生活を送っているのか、実際の生活費や工夫について見ていきます。
今後の生活設計を考えるヒントを探ってみましょう。
1. 無職のシニア夫婦、ひと月の生活費はどのくらい?赤字は月いくら?
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」より、標準的な65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支を見ていきましょう。
1.1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支
毎月の収入
収入合計:24万4580円
- うち社会保障給付(主に年金)21万8441円
毎月の支出
支出合計28万2497円
- うち消費支出:25万959円
- うち非消費支出:3万1538円
まず、収入は月に約24万4580円。その大部分、21万8441円は公的年金などの社会保障給付です。
一方、支出の合計は28万2497円。内訳としては、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万959円、税や社会保険料などが含まれる「非消費支出」が3万1538円です。
この世帯の場合はひと月約4万円の赤字となり、主に貯蓄を取り崩すなどでカバーする必要があります。物価上昇や年金減額の可能性を考えると、何らかの対策を必要と感じる世帯は少数派ではないでしょう。
老後の生活設計において、年金と貯蓄は重要な要素です。次では厚生労働省の一次資料をもとに、現在のシニア世代の年金受給状況を確認していきましょう。