総務省統計局が2025年1月24日に公表した「2020年基準 消費者物価指数(全国   2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均)」によると、総合指数は前年同月比で3.6%の上昇となっています。

日々の生活の中で「物価上昇」を実感している方が多いのではないでしょうか。物価が上がることで「お金」の実質的な価値が目減りしていくリスクが生じます。つまり、将来必要となるお金を準備する際には、この「目減り」を考慮に入れることが重要です。

今回は、私たちの老後生活を支える「年金」について詳しく解説します。年金の平均受給額を知ることで、老後の生活についてより具体的にイメージできるようになります。この機会にぜひ、年金についての理解を深めておきましょう。

1. 厚生年金「60歳~90歳以上」の平均年金月額

60~90歳以上の平均年金月額を知るため、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを紐解いていきましょう。

なお、こちらの金額には国民年金の金額が含まれています。

1.1 【60歳~69歳】厚生年金の平均月額の一覧

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

1.2 【70歳~79歳】厚生年金の平均月額の一覧

70歳代の厚生年金額2/11

70歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:厚生年金14万4773円
  • 71歳:厚生年金14万3521円
  • 72歳:厚生年金14万2248円
  • 73歳:厚生年金14万4251円
  • 74歳:厚生年金14万7684円
  • 75歳:厚生年金14万7455円
  • 76歳:厚生年金14万7152円
  • 77歳:厚生年金14万7070円
  • 78歳:厚生年金14万9232円
  • 79歳:厚生年金14万9883円

1.3 【80歳~89歳】厚生年金の平均月額の一覧

80歳代の厚生年金額3/11

80歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:厚生年金15万1580円
  • 81歳:厚生年金15万3834円
  • 82歳:厚生年金15万6103円
  • 83歳:厚生年金15万8631円
  • 84歳:厚生年金16万59円
  • 85歳:厚生年金16万1684円
  • 86歳:厚生年金16万1870円
  • 87歳:厚生年金16万2514円
  • 88歳:厚生年金16万3198円
  • 89歳:厚生年金16万2841円

1.4 【90歳以上】厚生年金の平均月額の一覧

90歳以上の厚生年金額4/11

90歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:厚生年金16万721円

※いずれも国民年金部分を含む

60~90歳以上の厚生年金の平均年金月額は、「14万円台~16万円台」の範囲におさまっています。

65歳未満については、「厚生年金保険(第1号)の受給権者は特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより報酬比例部分のみのもの」となっているため、金額が低くなっています。

なお、厚生年金は、加入月数と加入期間中の収入に基づいて受給額が決まる報酬比例の仕組みを採用しています。これにより、長く働き、多く稼いだ人ほど老後の年金が多くなる傾向があります。

続いて、国民年金のみの場合は平均額がいくらになるのかを見ていきましょう。

2. 国民年金「60歳~90歳以上」の平均年金月額

次に、国民年金についても確認していきましょう。

2.1 【60歳~69歳】国民年金の平均月額の一覧

60歳代の国民年金額5/11

60歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:国民年金4万3638円
  • 61歳:国民年金4万4663円
  • 62歳:国民年金4万3477円
  • 63歳:国民年金4万5035円
  • 64歳:国民年金4万6053円
  • 65歳:国民年金5万9599円
  • 66歳:国民年金5万9510円
  • 67歳:国民年金5万9475円
  • 68歳:国民年金5万9194円
  • 69歳:国民年金5万8972円

2.2 【70歳~79歳】国民年金の平均月額の一覧

70歳代の国民年金額6/11

70歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:国民年金5万8956円
  • 71歳:国民年金5万8569円
  • 72歳:国民年金5万8429円
  • 73歳:国民年金5万8220円
  • 74歳:国民年金5万8070円
  • 75歳:国民年金5万7973円
  • 76歳:国民年金5万7774円
  • 77歳:国民年金5万7561円
  • 78歳:国民年金5万7119円
  • 79歳:国民年金5万7078円

2.3 【80歳~89歳】国民年金の平均月額の一覧

80歳代の国民年金額7/11

80歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:国民年金5万6736円
  • 81歳:国民年金5万6487円
  • 82歳:国民年金5万6351円
  • 83歳:国民年金5万8112円
  • 84歳:国民年金5万7879円
  • 85歳:国民年金5万7693円
  • 86歳:国民年金5万7685円
  • 87歳:国民年金5万7244円
  • 88歳:国民年金5万7076円
  • 89歳:国民年金5万6796円

2.4 【90歳以上】国民年金の平均月額の一覧

90歳以上の国民年金額8/11

90歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:国民年金5万3621円

※65歳未満の国民年金の受給権者は繰上げ支給を選択したもの

国民年金も、繰上げ受給を請求した時点で年金額が減額され、その減額率は生涯変わりません。なお、原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰上げ請求を行う必要があります。

国民年金の平均受給月額は、65歳以降はいずれの年齢でも5万円台でした。

国民年金のみを受給する予定の方は、毎月約5万円の収入で生活する必要があることがうかかがえます。貯蓄の準備や働く期間を延ばすなど、他の収入源を確保するとよいでしょう。

所得が一定基準を下回る年金受給者を対象に、「年金生活者支援給付金」という制度があります。公的年金に上乗せして給付金を支給するものです。

次章で詳しく見ていきましょう。

3. 年金生活者支援給付金「70歳未満~90歳以上」の平均給付月額

2019年以降、年金収入やその他の所得が低い人を対象として、年金生活者支援給付金が支給されています。

この給付金は、消費税率引き上げ分を活用して、公的年金等の収入や所得が一定基準額以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給されるものです。

「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」ごとに、年金生活者支援給付金の平均給付月額を紹介します。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額

老齢年金生活者支援給付金(令和6年3月)9/11

老齢年金生活者支援給付金(令和5年3月)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

  • 全体:4014円
  • 70歳未満:4691円
  • 70~74歳:4187円
  • 75~79歳:3930円
  • 80~84歳:3835円
  • 85~89歳:3883円
  • 90歳以上:3952円

3.2 障害年金生活者支援給付金の平均給付月額

障害年金生活者支援給付金(令和5年3月)10/11

障害年金生活者支援給付金(令和5年3月)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

  • 全体:5555円
  • 30歳未満:5527円
  • 30~39歳:5496円
  • 40~49歳:5483円
  • 50~59歳:5497円
  • 60~69歳:5579円
  • 70~79歳:5703円
  • 80歳以上:5847円

3.3 遺族年金生活者支援給付金の平均給付月額

遺族年金生活者支援給付金(令和6年3月)11/11

遺族年金生活者支援給付金(令和5年3月)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

  • 全体:5057円
  • 20歳未満:4031円
  • 20~29歳:5140円
  • 30~39歳:5140円
  • 40~49歳:5140円
  • 50~59歳:5140円
  • 60歳以上:5140円

年金生活者支援給付金は、支給要件を満たせば継続的に受給できる支援です。

支給対象となる方には請求書が届きますので、この請求書を受け取ったら、忘れずに申請手続きを行いましょう。

ただし、請求書の書式や送付タイミングは個々のケースによって異なります。

日々の家計管理や貯蓄とともに、このような公的支援に関する最新情報を定期的にチェックすることが大切です。

4. まとめにかえて

今回は年金について解説しました。多くの方が、年金だけでは将来必要な資金が「不足する」と感じたのではないでしょうか。

現代では、貯蓄から投資へと時代がシフトしています。将来に備えて、できるだけ早く「資産運用」を始めることも一つの方法です。最近では、NISAやiDeCoといった国の制度も整ってきており、選択肢が広がっています。

もちろん、資産運用にはリスクが伴いますので、十分に考えた上で活用することが大切です。

参考資料