2024年12月25日に文部科学省が発表した「令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します」によると、幼稚園から高校までの学費総額がずっと公立の場合は596万円、ずっと私立の場合は1976万円であることがわかりました。
高校までの学費だけで最低でも596万円かかることから、子供の学費が家計に与える影響は大きいと言えます。そのため子供がいる働き世代は、お子様がある程度大きくなってから老後の資金準備をするという人も多いです。
しかし、老後の備えはできるだけ早く始めることで、月々の貯蓄が少額でもしっかり貯めていくことが出来ます。
現シニア世代の実態を確認し、老後の資金準備の参考にしていきましょう。
1. 仕組みをわかりやすく整理!「国民年金・厚生年金」とは?
まずは、日本の年金制度を理解することから始めましょう。
年金には、公的年金と私的年金の2つの種類があり、公的年金にはさらに「国民年金」と「厚生年金」という2つの仕組みが存在します。
【写真全11枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。2枚目以降で、「厚生年金・国民年金」の受給額をチェックする!1/11
出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成
1.1 公的年金「国民年金」とは?
国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する義務があります。
保険料は全員一律で、納付した期間に応じて、将来受け取る年金額が決まります。
1.2 公的年金「厚生年金」とは?
厚生年金は、公務員やサラリーマンなどが加入する制度で、収入に応じた保険料を支払います(上限あり)。
将来の年金額は、加入期間や納付額に応じて決まります。
日本の公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て構造となっており、その上には私的年金があります。
また、企業年金やiDeCo、個人年金保険などを活用して、3階部分や4階部分の備えをしている人もいます。
次章では、最新資料を基に、公的年金の平均受給額を年齢別に見ていきます。
2. 【年齢別】60歳~90歳以上「厚生年金」の平均月額を最新資料から確認
厚生労働省年金局が発表した最新資料「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」に基づき、年齢ごとの平均年金月額を見ていきます。
なお、厚生年金の金額には、国民年金部分が含まれている点にご留意ください。
2.1 【60歳代(60〜69歳)】厚生年金の受給額一覧表
- 60歳:厚生年金9万6492円
- 61歳:厚生年金10万317円
- 62歳:厚生年金6万3244円
- 63歳:厚生年金6万5313円
- 64歳:厚生年金8万1700円
- 65歳:厚生年金14万5876円
- 66歳:厚生年金14万8285円
- 67歳:厚生年金14万9205円
- 68歳:厚生年金14万7862円
- 69歳:厚生年金14万5960円
2.2 【70歳代(70〜79歳)】厚生年金の受給額一覧表
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
2.3 【80歳代(80〜89歳)】厚生年金の受給額一覧表
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
2.4 【90歳以上】厚生年金の受給額一覧表
- 90歳以上:厚生年金16万721円
年齢が上がるにつれて、年金の平均月額が増加している様子がわかり、一般的な年金受給開始年齢である65歳以降、月額14万~16万円程度が平均となっています。
※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給しているケースが多いです。
なお、年齢が上がるごとに年金額が増えるわけではなく、年金額の決定には乗率の改定などが影響している可能性があります。
また、厚生年金は収入に基づいて保険料が決まるため、個人によって差が生じやすい特徴があり、高収入の人ほど、年金額が高くなる傾向にあります。
一方、国民年金は収入にかかわらず一定であるため、次章ではその詳細を見ていきましょう。
3. 【年齢別】60歳~90歳以上「国民年金」の平均月額を最新資料から確認
続いて、国民年金についても、厚生労働省年金局の同資料より確認していきます。
3.1 【60歳代(60〜69歳)】国民年金の受給額一覧表
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
3.2 【70歳代(70〜79歳)】国民年金の受給額一覧表
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
3.3 【80歳代(80〜89歳)】国民年金の受給額一覧表
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
3.4 【90歳以上】国民年金の受給額一覧表
- 90歳以上:国民年金5万3621円
国民年金についても、65歳以降に受け取る平均月額は5万円台となっています。
※65歳未満で受給している国民年金の受給者は、繰上げ受給を選択した人です。
国民年金だけで老後生活を維持するのは難しいため、多くの人が前述の私的年金と組み合わせて老後に備えているとうかがえます。
最後に、シニア全体における年金受給額の平均についても確認してみましょう。
4. 【最新データ】「厚生年金・国民年金」シニア全体の平均月額はいくら?
先ほどは、年齢別の平均年金月額を見てきましたが、本章ではシニア全体の平均年金月額について確認していきます。
4.1 シニア全体の「厚生年金」の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
全体の平均は月額14万円台ですが、男女別で見ると約6万円の差が見られます。
さらに、個人ごとの差が大きいことも特徴としてみてとれます。
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
上記のデータから、受給額が広範囲に分布していることがわかります。
したがって、単に平均額を参考にして「自分は14万円程度がもらえるだろう」と考えるのではなく、ご自身の年金見込み額を確認することが重要です。
4.2 シニア全体の「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額
続いて、シニア全体の国民年金の平均受給額は以下のとおりです。
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
平均月額は5万円台で、男女間の差はほとんど見られませんが、個人差は以下のとおりです。
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
多くの人が、ほぼ満額に近い「6万円以上~7万円未満」の範囲に収まっていることがわかります。
5. 現役のいま、老後を考える
ここまで現シニア世代の年金事情についてみていきました。
ご紹介した年金額はあくまで平均。自分の年金がどのくらいになるか確認したい場合は、毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」を確認しましょう。
確認した結果、老後資金として足りないと感じた方は、年金額を増やすための対策をするか、老後までに資産を増やしていかないといけません。
年金額を増やすためには、現在の年収を上げたり、受給開始年齢を遅らせる「繰下げ受給」などの方法があります。
これらが難しい場合は、老後に向けて資産を増やしていく必要があります。毎月の貯蓄額を増やすために家計を切り詰める他、預貯金だけでなく資産運用も検討してみると良いでしょう。
参考資料
宗形 佑香里