6. 65歳以上無職夫婦世帯のひと月の生活費はいくら？
最後に老後の生活費をみるべく、2025年3月11日に総務省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支を見てみましょう。
毎月の実収入：25万2818円
■うち社会保障給付（主に年金）22万5182円
毎月の支出：28万6877円
■うち消費支出：25万6521円
- 食料：7万6352円
- 住居：1万6432円
- 光熱・水道：2万1919円
- 家具・家事用品：1万2265円
- 被服及び履物：5590円
- 保健医療：1万8383円
- 交通・通信：2万7768円
- 教育：0
- 教養娯楽：2万5377円
- その他の消費支出：5万2433円
- 諸雑費：2万2125円
- 交際費：2万3888円
- 仕送り金：1040円
■うち非消費支出：3万356円
- 直接税：1万1162円
- 社会保険料：1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
この世帯の場合ひと月の収入は25万2818円、その約9割（22万5182円）を公的年金などの社会保障給付が占めます。
一方で支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。
この夫婦世帯の場合、毎月3万4058円の赤字となり、不足分を貯蓄の取り崩しなどでカバーしていく必要があります。
7. すぐに生活費を下げられるわけではない。早めの老後対策を
今回は現役シニアの年金事情について深堀してきました。
記事冒頭でお伝えした現役世代から年金世代を含めた全世帯の平均支出約30万円とそこまで変わらない金額となっています。
やはり、年金世代になったからと言ってひと月にかかる生活費が大きく下がる訳ではありませんでしたね。
老後の生活を支える主な柱は年金です。しかし、多くの方が既にご存知のように年金だけで生活を送るのは非常に厳しい時代です。
老後、貯金も無く、年金も少ないため生活が困難という状況に陥らないためにも、現役時代の今のうちから老後に備えた準備を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査（二人以上の世帯）2025年（令和7年）1月分」
鶴田 綾
