【65歳以上の無職・夫婦世帯】1ヵ月の生活費は平均いくら？最新の年金額例やシニアの平均貯蓄額も知る 2025年度の年金額は国民年金「6万9308円」厚生年金は標準夫婦で「23万2784円」に

2024年にNISA制度の改正が行われ、早一年が経過しました。

筆者は個人向け資産運用のサポート業務を行っていますが、NISA制度について関心を持つ方が改正を機に増えてきたように感じます。

老後に向けての資産形成について関心が高まっている現在ですが、実際に老後にみなさんはどのぐらいの貯蓄ができているのでしょうか。

今回は、65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額について確認していきます。また、老後の収入の大きな柱である年金月額のモデルケースについても確認していきます。

1. 65歳以上・無職二人以上世帯：現シニアはどのくらい貯蓄してる？

総務省統計局「家計調査報告（貯蓄・負債編）－2023年（令和5年）平均結果－（二人以上の世帯）」によると、65歳以上の無職二人以上世帯における平均貯蓄額は以下のとおりです。

1枚目/65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額。では勤労世帯も含む平均はいくら？次の写真をチェック

2023年の65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額は「2504万円」です。

老後2000万円問題が取り上げられている中で、平均的には2000万円台の貯蓄があることがわかります。

次に、この平均貯蓄額がどのように推移してきたかについても確認してみましょう。

65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額は、2020年までは2200万円台にとどまっていましたが、2021年には2300万円台へと上昇し、2023年には2500万円を超えました。

現役世代の減少とシニア世代の増加に伴い、年金財政の不安定化が懸念される中、年金に頼らず老後のために貯蓄を増やす人が増えた可能性があります。

また、最近では銀行預金以外の保有資産が増加していることも注目すべき点と言えます。

次に、65歳以上・無職二人以上世帯が保有している「資産の内訳」についても見ていきましょう。

2023年度における65歳以上・無職夫婦世帯の保有資産の総額は2504万円でしたが、そのうち最も多い割合を占めるのは「定期性預貯金」で846万円です。

しかし、前年と比較すると金額は19万円減少しています。

一方、「有価証券」は480万円で、前年より80万円の増加を見せています。

近年、NISAやiDeCo（個人型確定拠出年金）など、税制優遇を受けながら投資ができる制度の整備が進んだため、有価証券の割合が増えてきているのでしょう。

また、2024年1月から新NISAが開始されたことから、貯蓄から投資への流れが一層強まることが予想されます。

ここまで無職二人以上世帯の貯蓄状況について見てきましたが、65歳以上でまだ働く意向がある方も多いです。

そこで次章では、65歳以上の「勤労世帯を含む」シニア全体の貯蓄状況についても確認していきます。