5. お金を貯めて増やす仕組みづくりを

ここまで、70歳代・二人以上世帯の実際の貯蓄割合に加え、今の高齢者世代が受け取る年金額がどの程度なのかを見てきました。

70歳代では、約2割が3000万以上の貯蓄ができている一方、中央値は800万程度と、決して余裕がある状態ではないことが確認できました。公的年金においても、今後の少子高齢化の影響からどこまで今の水準が維持できるかわかりません。

FPである筆者のもとにも、20~60代と幅広い世代の方が老後の年金や生活への不安を抱えて相談に来られる方が多いです。

それぞれのライフスタイルやライフステージごとで必要となる資金は変わってきますので、いつどんなお金がいくらかかるかを把握した上で、老後資金の準備を計画的に行っていくことが大切です。

大まかにでも構わないので、ライフプランの確認と大きな支出をまずは把握しましょう。もし無駄遣いなどがあれば、家計の収支も見直した上で、老後資金に向けて余剰資金を資産運用などにも回していくことです。

幸いなことに、現在はNISAやiDeCoなど様々な資産運用の方法が用意されています。ただ、運用にはリスクも伴うため、あくまでも運用に回すお金は余剰資金であることが大切です。貯蓄とのバランスもしっかり取っていきましょう。

資産形成は、お金を貯めて増やす仕組みづくりがすべてですので、是非早めに自分に合った仕組みづくりを検討されてはいかがでしょうか。

参考資料

小沼 大助