仕事選びはやりがいとともに給料や年間給料である年収はもっとも重要な要素のうちの一つでしょう。ただし、給料は会社によっても職位によっても異なるもの。また、興味のある仕事でも友人や知人に直接は聞きにくい内容でもあります。シリーズでお伝えしている「職業別年収給与給料」。今回は厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」をもとに算出した薬剤師(男女計)の給料についてみていきましょう。

薬剤師の給料水準とは

薬剤師の給料水準はどの程度なのでしょうか。厚労省のデータをもとに労働者数で加重平均した年間給与は543.8万円です。

また、年間給与は勤務する企業規模によって異なるというのは皆さんもお感じではないでしょうか。企業規模に応じた年間給与は以下の通りです。

  • 1000人以上:528.4万円
  • 100-999人:537.6万円
  • 10-99人:575.3万円

年間給料は500万円台にあることがわかります。企業規模によってそれほどばらつきがないともいえます。

また、企業規模ごとの年間給与の傾向としては、企業規模が小さいほど給与が高くなっています。年間給与が高いのは企業規模が10-99人のケース、また年間給与が低いのが1000人以上のケースとなっています。

企業規模ごとの年齢と勤務年数

では、同調査で開示されている企業規模別年齢と勤務年数はどうでしょうか。

  • 1000人以上:34.6歳(6.0年)
  • 100-999人:39.8歳(7.2年)
  • 10-99人:44.8歳(8.9年)

年齢は30歳代から40歳代と企業規模によってばらつきがあります。ただ、年齢が最も若いのは企業規模が1000人以上のケース、その一方で年齢が最も高いのは企業規模が10-99人のケースとなっています。

企業規模別の労働者数

同調査における労働者数についても見ておきましょう。

  • 1000人以上:2万6980人
  • 100-999人:2万610人
  • 10-99人:1万7290人

労働者数がもっとも多いのは企業規模が1000人以上のケースです。その一方で最も少ないのは企業規模が10-99人のケースです。

職業を選択する際の材料に

薬剤師を目指す方は、勤務地やまた労働環境はどうかといった要素なども重要な判断要素となるでしょう。待遇は職場ごとに異なることもありますが、今回の厚生労働省の調査結果での年間給与を仕事選びの一つの材料としてみてもよいのではないでしょうか。

ちなみに国税庁の「平成28年分『民間給与実態調査』」によれば、給与所得者(1年を通じて勤務した給与所得者)の平均給与は421.6万円となっています。内訳をみると男性が521.1万円、女性が279.7万円。男女計の平均年齢が46.0歳、男性の平均年齢が45.9歳、女性が46.1歳となっています。

【ご参考】職業別年間給与の算出方法

今回の職業別年間給与は厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」をもとに算出をしています。同調査の本概況については、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所の客体(66260事業所)のうち、有効回答のあった事業所(49541事業所)についての集計内容となっています。

また、調査の時期は平成29年6月分の賃金等(賞与、期末手当等特別給与額については平成28年1年間)について平成29年7月に行われたものです。職業別年間給与については、上記の「きまって支給する現金給与額」が12ヶ月あったと仮定し、それに年間賞与その他特別給与額を足し合わせたものとして算出しています。

【補足】記事内で言及した用語解説

以下、当記事内で使用した用語について簡単に補足しておきます。

「常用労働者」とは、次のいずれかに該当する労働者をいいますー「期間を定めずに雇われている労働者」、「1か月を超える期間を定めて雇われている労働者」、または「日々又は1か月以内の期間を定めて雇われている労働者のうち、4月及び5月に、それぞ れ18日以上雇われた労働者」

「企業規模」で「常用労働者」が1000人以上を「大企業」、100-999人を「中企業」、10-99人を「小企業」として区分しています。

「きまって支給する現金給与」は「所定内給与」に加えて時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当が含まれています。

LIMO編集部