定年退職と聞くと何歳をイメージしますか。
一昔前までは「60歳定年」が一般的だったように思えますが、最近では定年制の廃止や定年年齢を延ばす企業も増えてきているようです。
昨年12月20日に厚生労働省が公表した「令和6年高年齢者雇用状況等報告」からも、定年を70歳に引き上げている企業が年々増えていることが分かります。
今回は70歳代に焦点を当て、平均貯蓄額や貯蓄3000万円以上の世帯が何%くらいいるのかをチェックしていきたいと思います。
1. 【70歳代・二人以上世帯】「貯蓄3000万円以上」は19.7%
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を参考に、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認していきます。
1.1 「貯蓄3000万円以上」の割合|70歳代・二人以上世帯
- 19.7%
1.2 「貯蓄額の平均・中央値」|70歳代・二人以上世帯
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.3 【貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)|70歳代・二人以上世帯
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
※上記、貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
70歳以上の二人以上世帯のうち、19.7%が「貯蓄3000万円以上」を保有していることがわかります。
また、全体の「貯蓄の平均額は1757万円」とされていますが、より実態を反映した「中央値は700万円」となっています。
70歳代というと、「退職金を受け取って裕福な老後を楽しんでいるのでは」と考える方もいるかもしれません。
確かに、貯蓄が3000万円以上ある世帯は約2割存在しますが、貯蓄状況には明確な二極化が見られます。
具体的には、70歳以上の二人以上世帯において「貯蓄がゼロの世帯は19.2%」であり、「貯蓄500万円未満の世帯は22.2%」となっています。
老後の主な収入源として「年金」が挙げられますが、2024年度の年金受給額はいくらになるのでしょうか。
次章では、2024年度における国民年金と厚生年金の具体的な年金額例を見ていきます。