厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金額は1.9%の引き上げが決定しました。
しかし、年金額の増額が物価の上昇には追いついておらず、実質的には目減りしているとの見方もあります。
年金だけで老後を過ごすことに不安を抱く方も多いでしょう。では、現在のシニア世代は平均してどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。
この記事では、年金受給者の平均的な受給額や、年金生活者を支援する給付金について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
1. 【公的年金の仕組み】厚生年金と国民年金
日本の公的年金制度は「2階建て構造」です。1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金となっています。
企業や個人が任意で加入することができる私的年金を公的年金に上乗せして、「3階建て構造」と言うこともあります。
例えば、「個人年金保険」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった私的年金で、さらに充実した老後の生活を目指す人もいるのです。
1.1 1階部分:国民年金
日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入しています。「基礎年金」とも言われます。
自営業者やフリーランスなどの「第1号被保険者」は、基本的に国民年金のみに加入しています。
保険料は全員一律となっています。
40年間欠かさずに納めると、満額の年金がもらえます。納め忘れや免除期間があると、その分だけ減額されるので注意が必要です。
1.2 2階部分:厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方々が対象で、パートタイマーでも一定の条件を満たせば加入できます。
「国民年金の第2号被保険者」に区分される会社員や公務員などは、厚生年金に加入し、国民年金にも自動的に加入しています。
これにより、1階部分と2階部分の両方の年金を受け取ることができます。
保険料は収入に応じて変わります。給与や賞与に対して一定の割合で保険料が計算され、収入が多い人はその分多くの保険料を納めることになります。
この仕組みのため、厚生年金は加入期間や収入によって、受け取れる額に個人差があります。
続いて、実際の厚生年金の平均受給額を見ていきます。あなたが将来もらえる年金がどれくらいになるかの参考にしてみましょう。