2018年8月15日に行われた、株式会社マイネット2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社マイネット 代表取締役社長 上原仁 氏

2018年12月期第2四半期決算説明会

上原仁氏(以下、上原):みなさま、おはようございます。

本日は、お盆の真っ只中で大変お暑い中に、この場にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

本日は、マイネットの第2四半期の決算説明会です。

今回の決算説明会は、今年(2018年)3月に当社に起こりました不正アクセスのインシデントからの復帰・回復ということを、みなさまにご報告できる場となりました。多くのみなさまに、ご迷惑やご心配をおかけいたしました。

あとになったから言えるのですが、本当にある意味、会社としては、経営危機と言えるものであったと思っています。

今現在36タイトルを運営しているのですが、36タイトルのうちの3分の1にあたる13のタイトルが操業停止いたしました。車のメーカーさんに例えましたら、その3分の1の工場と流通のラインがすべて停止するというような事態が、起きてしまったわけなんですね。

これが起きたことそのものは、もちろん我々が強く反省するところであり、抜本的な対策を打っているところです。ただ今回、とてもうれしかったこととして、周りのみなさまに支えていただきながら、この3分の1が操業停止している状態にあっても、3分の2の残るチームがまったくめげることなく崩れることなく、盤石の体制でユーザーさんにバリューを出し、しっかり収益をあげ続けるということができていました。

これが本当に、マイネットという会社の組織力を証明、お示しすることができたことを、とてもうれしく感じております。

私は代表をさせていただいておりますけれども、もちろん日々ユーザーさんにバリューをご提供して、収益をあげる活動を行っているのは、メンバー一人ひとりです。そのメンバー一人ひとりが、しっかりユーザーさんのほうを向いて仕事をする。ユーザーさんにバリューを出すことによって、しっかり収益還元していくというところを、危機の中においてもしっかり実現してくれたということを、すごくうれしく感じております。そのようなものが、本日ご紹介できる内容になっております。

その上で、前回の決算では操業停止になってしまった3分の1のタイトルたちが、かなり厳しい状態にあるということから、一度大きな減損を出させていただきました。このこと自体が、株主のみなさまの株主価値の毀損を起こしてしまったということで、強く反省しているところでございます。

そこに対して、しっかり1年間、まず少なくとも自分の役員報酬を無報酬にして、建て直しに向かっていくということをお示ししたところでしたが、その3分の1のインシデント対象タイトルが3月を底にして、4月・5月・6月と右肩上がりに想定以上の復帰をすることができました。

結果として、第2四半期にあれだけの大きなインシデントがあったにもかかわらず、再度しっかりとEBITDAで黒字、しかもそれがどんどん右肩に上がっていく状態というのをつくれているというところが、今回みなさまにお示しできる内容の一番ハイライトのところになっております。

当社の盤石のビジネスモデルと組織体制、そしてこのインシデントからしっかり復活することができましたことを、みなさまにこれからの時間でお伝えしてまいりたいと思います。

第2四半期ハイライト(経営)

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では、順にまいりたいと思います。まず、ハイライトが2枚ございます。1つ目が、経営についてのハイライトです。

1つ目、「業績」。不正アクセスのインシデントがございました。正直申しまして、第2四半期のこの期間自体もかなり、インシデント対象タイトルはへこんでいます。しかしながら、インシデント対象タイトルが復活中というプロセスの中にあるにもかかわらず、業績としては、四半期で過去最高の売上高を計上することができました。

先ほど申し上げました回復や、ビジネスモデルとしての盤石性というものをお示しすることができた結果かなと思っております。また営業利益に関しましても、(2018年)5月11日にお示しておりました市場のみなさまへのお約束に対して、営業利益で大幅にプラス、下限値に対して2.4億円のプラス、上限値に対しても1億円のプラスというのを作ることができまして、今回上期計画を大幅に上振れし、通期計画も上方修正を発表させていただいてる状態でございます。

2つ目に、「財務」の面です。こちらも、やはり先ほど組織力というように申し上げましたところの一番の基盤にございます。今回、事業をしっかりと回復させて、ユーザーのみなさま、社会のみなさまに我々の提供できる価値を戻すことができたのは、財務体制が磐石だったからでございます。

本日も、たくさんの金融機関のみなさまにお越しいただいています。金融機関のみなさまに、当社に起きたインシデントの中身をしっかりとご覧いただいて、これはしっかりと先々においても回復できるものだというふうにご判断をいただき、これまでと変わらぬ信頼関係のもとで、お付き合いを続けていただけていること。

このことが、当社が本日、まず「回復しました」と宣言できるところであったり、ここから先、当社マイネットという事業体が社会価値を生み続けることのできる一番の基盤を作っていただくことにつながりました。金融機関のみなさまには、改めて御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

その中で財務としましては、自己資本比率が現在は47.8パーセントと、盤石の値となっております。当社はご案内のとおり、ゲームタイトルを先に買取します。すなわち、先にキャッシュアウトをして、そのあとキャッシュを戻していくという業態を取っております。

一般論で言いますと、自己資本比率も低めになりがちな業態をとっておりますが、現時点で47.8パーセントと、こちらもまた上昇のベクトルに入っている状況でございます。これから改めて、攻めの買収活動というのを進めていける事業体質に戻ってくることができております。インシデント後も、金融機関のみなさまとの関係は変わらず、良好に保たせていただいております。

続いて、「組織」です。先ほど申し上げましたとおり、自力で復活することができるような組織をつくれているということが、とても自信を深めたところでございます。その中でも、ただやはり穴があった事実に対しては、しっかり目を向けてですね、セキュリティにまつわるところの抜本的な対策を、コストと時間をかけ、そして何よりも体制を敷いて、ここから先、同じ不安を起こさせない状態をつくっていくということに取り組んでおります。

そこに向かって、コーポレート本部という当社の基盤となる部隊の本部長に、澤野という者が立たせていただきました。後ほど、ご紹介をさせていただきます。

澤野は長らく、マネジメントコンサルティングファームの会社で経験を積み、外資のSIer企業で経営企画などの経験を長く積んできた人間であり、ITセキュリティにまつわるところについてもコーポレートガバナンスについても大変知見の深い人間が、当社に参画をしてくれました。その後に、今回のセキュリティインシデントに対する陣頭指揮も取った上で、コーポレート本部のヘッドに立ってくれました。

組織の面でのセキュリティに対するところ及び、コーポレートとしての盤石の体制を敷くことができたというのも、この四半期に起きた、一つの大きなできごとでございます。

第2四半期ハイライト(事業)

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続きまして、事業の側面。

まず1つ目が、「仕入」です。当社は、ゲームタイトルをメーカーさまから仕入れさせていただいて、そのゲームタイトルを長くわくわく(するような)「10年空間」に仕立て上げていく。そこから、しっかり利益を積み上げていくという事業構造をとっております。この仕入がしっかり順調であることというのが、将来の成長というものを、およそフォーキャストする値になっております。

この仕入についても、(2018年)4月2日に合流してくれた株式会社グラニの2タイトルと新メンバー、ゲーム事業の買収など、4つのタイトルの仕入をこの四半期の間で進めることができました。

先ほど申し上げましたようなインシデント、大きな事故が起きている中ではあるのですが、その事故に対する対策復帰活動を片側の3分の1で行いながら、残り3分の2がチームでしっかりと、これまで同様、月1本ペース・月1本以上のペースで仕入を行って、成長の準備というものもしっかりと整えられているというところが、今回この四半期で示すことができた強さの一つであるというように思っております。

あと、「サービス運営」にまつわるところ。すでにここで何度かご紹介しているとおり、インシデントの影響を受けたタイトルが、まず想定以上に回復しています。加えて、それよりもある意味でうれしいものとして、他のタイトルがまったく崩れていない。むしろ、そこがしっかり盤石にフォーメーションを組んで安定的な成果を出すことによって、今回の過去最高売上高というものを実現していると申せます。

3つ目。ここは、実はものすごく重要なところで、ある意味、他の多くのゲーム会社と当社の違いです。当社は、普通のゲーム会社ではありません。当社は「ゲームサービス業」と自社のことを銘打ち、その事業構造を作っております。

運営にフォーカスすること、そしてメーカーさんからの仕入によって成長すること、そしてなにより、現在の40近い多数のタイトルを同時に運営することによって、そのタイトルからのリアルタイムのデータをどんどんと蓄積していきます。

そのデータに基づいて、当社の中にゲーム運営のための大きなアセット・ナレッジを蓄積して、具現化していっています。この部分が、当社が多数タイトルを同時に運営することによって得られる共有財産です。この共有財産をしっかりと積み上げ磨き上げて、各タイトルに投入していくということによって、収益性を高めていくのです。この業態を当社は「ゲームサービス業」というように呼んでおりますが、このゲームサービス業としての業態づくりが、さらに進展した期間になっております。

各アセットを、当社では「パレード商品」と呼んでおります。社内で流通する共有財産分です。各アセットの利益貢献度を可視化しています。これができることによって、各タイトルが、その共有財産を使ったらどれだけ成果を上げられたかというのを、PDCAで回すことができます。すなわち、どんどん磨いていくことができるターンに入っていったということなんですね。

データ・ナレッジの社内商品流通を着実に進行することによって、他社だったら赤字になるものが、マイネットだったら黒字になる構造を実現しております。

下半期黒字化に向けて着実に進行

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では、決算の概要をご案内してまいります。最初にまず、今回の上方修正についてのご案内です。

上半期の営業利益が、計画を大幅に上振れすることができました。(2018年)5月11日の予想に対して、プラス1億円から2.4億円のプラスというようになっております。加えて、その分が底上げになって、通期業績予想も上方修正しています。

下半期の黒字の値については今回は変えないで、上半期の分が底上がった部分だけ、今回上方修正の発表をさせていただいております。下半期は、黒字をしっかり実現することを目指して進んでおりますが、まだまだ、この勢いで上に上に進めていきたいというように考えてるところです。下半期は、黒字に向けて着実に進行しております。

ゲームサービス事業 成長推移イメージ

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ここから2ページだけ、当社の事業モデルについての前半のご案内を、少し申し上げます。

まず基本、当社は自社でゲーム開発をするのではなく、メーカーさんがお作りになったタイトルを仕入れます。仕入で運営することによって、収益を上げます。また、その仕入を月1タイトルのペースで行っていくことによって、仕入れて、直して、運営するということをどんどん積み上げることによって、利益成長させていくという仕入モデルの事業構造をとっております。これが、当社が他と違う1つ目の構造です。

2つ目。タイトルごとの業績推移としては、このような姿になります。当社がお預かりする時点で、メーカーさんとしては、売上が下降線に入っているものが、けっこう多くなっております。おおよそ月商2億円を切ってきたようなタイトルが多いですが、世の中の一般的な事業として見たら、相当大きな事業に当たります。

それらをしっかりと、当社のノウハウで長く続いていけるような空間にしていくこと。それが、当社が今現在持っているコンセプトである「10年空間」です。

ゲームタイトルは、「ローンチされて2~3年でシュッとしぼんでいく」というように、なぜか世の中の多くの方々が思ってしまっております。しかしながら実際は、世の中がオンライン化して、ゲーム世界やゲーム空間が、ある意味ユーザーさんにとっての居場所になっているのです。みなさまにとっての学校、会社とか、あるいは行きつけのお店のような存在感が、ゲーム空間になっています。

みなさまの行きつけの店が、ある日突然なくなると、すごく困るじゃないですか。辛いじゃないですか。そこで結んだ人間関係等が、全部なくなっちゃう。こういうことが起きないようにすることなのです。

我々は、ゲームというものは「空間である」というように、まずとらえています。空間はやはり、みなさまにとっては大切な居場所です。その居場所が長く、そしてそこの空間で結んだ人間関係や、そこでわくわくできるその時間というものを長くお守りするっていうことを、自分たちの存在する意味だというように定義づけています。これをコンセプトとして「10年空間」と表現しています。

その「10年空間」を前提にして考えると、我々がお預かりした、仕入をさせてもらったゲームタイトルを、まず安定的な状態にします。安定的な状態にして、しっかりと利益が出る構造にしていきます。その上で、中長期「10年空間」にしていく中で、まず最初の2年間は、買い取った仕入のお金が減価償却として当然のってはきますが、それより後ろ側の10年目に至るところまでは、減価償却費がなくなった状態で利益を創出する構造になっていきます。

すなわち、時間軸が、長く後ろ側になればなるほど、当社の事業が中盤から後半、3年・5年・10年と長くなっていけばいくほど、利益の率・額が高まるような事業構造になっています。このことを、みなさまにもご存じいただければと思います。

この構造で、とくに積極的な買い取りが実践できるようになりましたのが、2015年ぐらいからですので、今はようやく3年なんですね。まだ、減価償却中のものも多いです。これが、だんだんとなくなります。どんどん利益幅を大きく出せるようなものが積み上がっていく構造になっているということを、この図でご存じいただきたいと思っています。そもそも、長期ありきの事業構造で当社は取り組んでいるということを、ご存じいただきたいです。

タイトルグロースに向けたチャレンジ

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その上で、先ほどあったように、どうしても平均で見ると97パーセント~98パーセントぐらい、月次で低減していくというのはあるのですが、個々のタイトルで見ますと、やはり一つひとつのタイトルを新たなアップデートをして伸ばす。またちょっと落ちてきそうなところを、また新たな施策を入れ伸ばすというタイトルのグロースのためのチャレンジは、実は個々のタイトルでどんどん進めております。

今の36あるタイトルは、36チームでやっています。その36チーム内にはグロースチームというのがあり、しっかりと利益安定させるということを目指し運営をがんばるメンバーと、そのタイトル一つひとつを都度都度にグロースさせるためのチャレンジを打っていくチームというのが、チームの中におります。

これによって、うまくグロースチームの施策がはまったときには、個々のタイトルにおいてはぐっと戻すということも、頻繁に起きております。ですので、マクロの構造で見るとこういう構造で、ミクロで見てみた時には、一つひとつのタイトルをいかにしてグロースさせるかというのを、36の共同体として、ある種合衆国のようなかたちで経営をしているという状態にございます。

また、機能アップデートだったり、あとはAIの導入です。AIの導入によってできることは、作業の自動化と予測精度の向上です。人間がアテ勘でやるよりも、明らかに機械学習で予測したほうが、ある商材がロイヤルユーザーさんに刺さる度数というのを予測することができます。

その予測精度というものを、先ほどの共有財産、GSアセットというものの中に持っており、AI化をどんどん進めることによって、結果的に先ほどのこのチャレンジの精度を高めていくことを実現しております。

これの成果が、今は徐々に出てきて、さらにこの月次の低減率自体を戻していけるような流れに、今はのせていってるところにございます。

売上高推移(四半期)

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では、ここからは「業績」です。

まず、売上高です。前回の四半期はインシデントの影響が本当に大きく、どんと下がったタイミングでございました。

しかしながら、しっかり組織の力・チームの力で、今回はインシデントの影響下にもかかわらず、過去最高の売上高を記録できました。こちらが一つ、まずハイライトになってくるかと思っております。

当社の中でも、まだまだこの(2018年)4月から6月というのは、ある意味のリカバーのための戦時下にあるというようなマネジメントを実際しておりました。その中でもこの結果を出せたというのが、本当に社員メンバーにとっても、すごく大きな自信になっているところでございます。

インシデントの影響を受けたタイトル 業績推移(月次)

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そして、前回起きたインシデント、不正アクセスインシデントの影響を受けた13タイトルそのものについての状態を、記載させていただいております。

一度(2018年)3月の時点で、大幅にがくんと落ちました。最大値から2億円強落ちたというところまでいきました。そこから、しっかりとセキュリティ対策を行った状態での戻し。あとは、ユーザーさんに向けたお詫びをしっかりとお示ししながら、そのあと盛り上げをしっかりと作っていったため、結果的にこのようなきれいな右肩上がりの構造で、伸ばしていくことができております。

対策を打っていた人員をだんだんと、この不正アクセス後の売上高の体質に合わせた人員に切り換えていって、結果的にしっかりと利益が出る構造に、インシデントタイトルについても持っていくことができております。

想定を超えて回復して、キャッシュフローも黒字に復帰いたしました。また、つい直近で出たばかりの7月単月の速報値を、少しだけ掲載させていただいております。

EBITDA・営業利益推移(四半期)

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あと、こちらがEBITDAと営業利益の推移で、四半期ごとで見ますと、やはり前回のインシデントというのがとても大きなマイナスを作りましたが、それをぐっと戻すことができた第2四半期でした。不正アクセスの影響が徐々に減っていっておりますが、(2018年)7月になってもゼロではありません。やはり、抜本的な対策を打ち込んでいくための人員であったり外注コストが、数千万円の規模で実際にかかっております。

あと、インシデント対応タイトルのスリム化についても、まだ途上にあるという状況でございます。そういう状況ですので、第3四半期には影響がないとは申せませんが、少なくとも第2四半期の時点で、すでにEBITDAで黒字になっていること、そして第3四半期に向けて、やはり上に向かって進むことができる状態になっているということは、傾向として申せます。

既存タイトル(インシデント対象外)業績推移(月次)

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あと、もう一つ。こちらが、既存タイトルかつインシデントを受けなかったタイトルです。

先ほども申しましたが、とてもうれしかったポイントになります。会社として危機的な事象が起きたとしても、そこではないところがしっかり盤石で、成果を上げることができたということです。(2018年)1月から営業利益を、EBITDAもずっと出せる状態っていうのをキープしていっております。

そして、7月単月は速報値ではございますが、いよいよインシデントが収まった状態において、反撃ののろしとでも申しましょうか、そういう状態になり始めているというのが、少し見て取れると思います。インシデント影響がない既存タイトルは、本当に盤石のところで推移していることがお示しできております。

なお、下側に記載しておりますが、『モンスターギア バーサス』というタイトルでございます。こちらはとても残念ですが、8月末にエンディングを迎えることになりました。

昨年(2017年)に、セガ・ゲームスさんから仕入をさせていただきました。仕入させていただいた時点で、少しさまざまな検討事項のある事案でありましたが、なんとかしてこの5月に向けて、ユーザーさんもよくご存じの大きな改修をかけましたが、これについてはしっかりとはまることができず、これを継続し続けるのはやはり困難であるというように判断をして、8月末に終了いたします。そこの部分っていうのが8月になくなって、黒字を作りやすい状態には、なってまいります。

営業利益増減分析(四半期)

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あと、営業利益の増減の分析です。

第1四半期が、マイナス2.9億円でした。既存タイトルに関して、売上高が微減していますが、コストをより最適化することによって、利益額は上がっております。

インシデント対象タイトルについては、インシデントの影響で、売上高がぐっと落ちています。しかしながら、その部分をしっかりと最適なチーム編成にしています。当社が多数タイトルを同時に運営していることによって実現できる、柔軟な体制変更を実際に実行することで、売上が落ちたらそれに対して最適なチーム編成にして、コストと売上高を最適にしていくということが、ほんの3ヶ月の間にできています。

あと、第2四半期の仕入タイトルも、売上が増えたことで費用が増えた分がありますが、利益をアドオンで作ることができました。

その他のところですが、先ほど申し上げました、セキュリティ抜本対策。こちらに、数千万円の外注コストをかけている状態でございます。本当の意味で、一部上場企業として、オンラインサービスの企業として、あるべきセキュリティの状態・体制にしていくことに、しっかりしたコストと時間をかけております。

それによりマイナスが出ていたのですが、この間に、新規事業である株式会社ネクストマーケティングの収益が過去四半期に比べてプラスに転じており、それでちょっと戻してマイナス25(2,500万円)という状態になっております。

これをもって、第1四半期に対してプラスの第2四半期になりました。

インシデントの影響を受けた期間については、第1四半期が1ヶ月。ただし、とくに甚大な影響を受けたのは(2018年)3月の1ヶ月間です。第2四半期については、実は3ヶ月間ですべて、インシデントの影響は受けております。インシデント影響下においてですが、それぞれの領域において、しっかりと売上高に対する費用をコントロールすること及び、新たな仕入をすることによって、利益をより上げることができています。

損益計算書(四半期)

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セキュリティ抜本対策など、一時的に販管費が増加しているというのが見て取れると思います。それについては、一時費用です。かなり大きくなっておりますので、一時費用がなくなったところで、従来の黒字の体質及びEBITDAマージンの高い体質に戻していけるというように見ております。

費用推移(四半期)

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あと、前四半期の減損によって、償却負担については大きく減少しています。昨四半期で、22億円分の減損を発表させていただきました。そのため、減価償却費とのれんの部分がぐっと下がっているということになっております。

あと、サーバー費用や人件費については、インシデントの影響でコストがアップしていたり、とてもリッチな体制でやっていらっしゃったグラニチームを当社に持ってきて、サーバーコストやメンバー体制の最適化を進めており、第3四半期以降に適正化していくかと思います。

貸借対照表(四半期)

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あと、BSです。

自己資本比率は47.8パーセント。再び、今は上昇ベクトルになっている状態です。しっかり攻めていける体制・体質になっています。

まず、今回の決算自体は、四半期で見ると、まだ営業利益はマイナスの状態ですが、ここから反転攻勢できる状態がかなりつくれていると、認識をしております。ここから攻めて、とくに仕入ないしはM&Aに関する攻めの開拓活動を、かなり積極化をしていっております。

これまでも、月1本ずつの買取をしながらも、大規模な買収活動ということも進めております。ご案内のとおり、今現在のゲーム業界は、各企業の競争の激しさから、かなり厳しさを増してます。

申せますのは、グローバル……とくに中国。中国のメーカーの作ったタイトルで、開発費もプロモーション費も、日本の企業よりも0が1個多い状態で攻め込んでくるような方々との戦いを、メーカーのみなさまは余儀なくされております。

その中で当社は、「10年空間」づくりという、一発当てるのではなくて「10年空間」をつくるという方向のKPI・KGIを持って動いていく。しっかりと、中国のメーカーさんのような方々とも手に手を取ってやりとりしたり、その中国のメーカーとの戦い・競争の中で苦しんでいかれる方々ともしっかり手を握って、ときには当社の中に入ってきていただく。

当社のゲームサービス業の構造、極めて最強のコスパの体質を活用した長期のゲーム空間づくりを、当社がゲーム業界の中で担っていけるのではないかと思っております。そのようにして、ここからも仕入やM&Aの活動というものを、かなり積極的に進めていくという姿勢で、フォーメーションを組んでおります。

キャッシュ・フロー計算書(四半期)

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キャッシュ・フロー。

累計のキャッシュ・フローは、黒字をすでに達成しております。この値自体も、まだまだまだインシデント影響がある状態だと考えておりますので、ここからまた、もっと強いキャッシュ・フロー……とくに気にしているのは、EBITDAマージンを作っていけるような体質を、より磨いていきたいと思っております。

従業員数推移(四半期)

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また、従業員数の推移ですが、グラニの事業買収によって、大変強力なメンバーが多数合流してくれました。

正社員メンバーがとても多かったため、非正規より正規の比率が上がっていたり、全体の人数も増えております。これまでも、多数の会社からのメンバーが集まってくれて、フォーメーションを組めるような文化・体制になっておりますので、新たにM&Aで加わってくれたチームがスムーズに、当社のゲームサービス業務の中で活躍してくれている状況です。

ゲームサービス事業成長構造

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ではここから、事業戦略とその進捗についてのお話をさせていただきます。

まず、ゲームサービス業。

当社は、普通のゲーム会社ではございません。ゲームサービス業です。当社の考えるゲームサービス業というのは、運営フォーカスであるということが表面で見えるところですが、より重要なのは、アセットです。多数タイトルを運営することによって蓄積される、自社の運営のための共有財産たち。もちろんBSには表れませんが、自社の中でタイトルを収益化するためのアセットが、どんどん日々溜まっていく構造にあるということが、ゲームサービス業というものの肝です。

当社がこの事業を継続して、タイトル数を増やせば増やすほど、継続期間が長くなればなるほど、当社のこのGSアセットがどんどんと蓄積されていきます。それによって、タイトルの収益性がどんどんと高まっていくことが、このゲームサービス業の一番の肝であり、事業の構造であります。

タイトルが増えれば増えるほど、リアルタイムのデータ・ナレッジが蓄積され、GSアセットが増強されます。アセットが増強されることによって、そのアセットを注入したタイトルの収益力は高まります。収益力が高まることによって、当然キャッシュの創出能力も高まり、タイトルの買取能力が向上します。

また、他社だと赤字だとしても当社では黒字ということが、ここで実現できるようになります。そうすると、おのずとタイトル買取力は向上します。

タイトルの買取力が向上すると、当然タイトルが増える。タイトルが増えてアセットが増強されて、収益力が強化され、それとともに、買取力がまた高まっていく。このループがぐるぐるぐるぐる(さらに)強化ループとして回っていく構造に、今すでになっているということです。これが、マイネットという会社のゲームサービス業の、一番の強さの根幹にあります。

このループ自体は、当社が2014年の段階で作った構造です。この構造を証明するために、ここまでやってきました。その間にも、業態と業容としては10倍ぐらいになっていますが、まだまだ証明しきれたとは思っていません。みなさまにも、まだまだ伝わりきってないというように思っています。

ですが、我々がゲームサービス業というもので作り上げて証明しようとしてるのは、基本的に、このループです。タイトルを増やせば増やすほどアセットがたまり、収益力が高まってタイトルの買取力が高まり、そしてまたタイトルが増える。このループをぐるぐるぐるぐるまわしていく、永続期間にしていくということです、それが、当社の考えるゲームサービス業づくりであります。

GSアセットによるゲームサービス事業の利益構造

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これを少し別の角度からとらえた図を、今回示しています。売上高対費用の構造です。

アセットの活用で、タイトルの利益率が上昇する。それをどのようにして実施しているのかを、いくつかサンプルで出しています。

まず下から、人件費。絶えず一つのタイトルにおける最適な売上と、そこに置くべき最適な人数・人件費。これを絶えず調整をしています。その調整をすること自体、データに基づいて行いますが、例えば少ない人数でやろうとする時に、当然作業は溢れてしまってはいけませんよね。

その作業を、しっかりと自動化していくためのモジュール・ツール・フレームワークが、当社の中に揃っております。これ自体が、共有財産の一つです。一つのタイトルの運営の業務、この業務のフローをしっかりとBPR分解をして、その分解したものをモジュール化し、自動化できるものをどんどん自動化していきます。

それによって、ちょっとわかりやすく表現すると、もともと他社で20人ぐらいで運営をしていたタイトルを例に挙げます。その20人のお仕事のうち、ざっくり半分ぐらいの10人分ぐらいは、同じ作業です。2回目・3回目・5回目……というような、ルーチン作業なんですね。

このルーチン作業は、限りなく自動化が可能です。その自動化は、今までも40タイトルでずっと自動化活動をしてきておりますので、さまざまなタイトルのワークフローに対して、充てることができます。ゲーム運営の自動化ツールが揃っています。

そのため、10人分の作業に該当するものを、どんどんどんどん自動化します。それによって、残る10人分に該当する、本来の考える・創るという仕事に、人間はどんどんフォーカスしていくことができます。要は、作業を機械に任せて、人間は余裕の時間ができる。言わば、楽をできる状態になった上で、しっかりとクリエイティブなことに対して、時間をフォーカスすることができる。これが、我々が日々行っている、自動化BPRの基本的な考え方です。このBPRを実行するための自動化ツールたちが揃っているということが、まず一つの、GSアセットの典型例です。

2つ目に、外注費です。おおよそゲームの中のけっこうな比率、たとえば数百万円、タイトルによっては10パーセント超、10パーセント~20パーセントに至る場合があります。とくに、イラストとかキャラクターに関する外注費に充てることが多いです。

ただ、ユーザーさんがお求めになっているキャラクター、本当にニーズが高いキャラクターというものは、一部に限られています。正直、そのレアリティが高かったり本当にしっかりとコストをかけているようなキャラクターを、やはりユーザーさまはお求めになられます。

しかし、やはりゲーム全体を構成していく時には、汎用的なキャラクターも必要なんですよね。汎用的なキャラクターや、コラボで交換していくようなキャラクターにもコストをかけているところを、当社の場合は今現在で11万体のキャラクターが、当社のアセットとして中にあります。

この11万体のキャラクターは、40タイトルのどこに使ってもいいのです。汎用的なキャラクターに関しては、自社のすでにコスト払い済みの資産たちで、各タイトルに対して適用し、本当にユーザーさんがお求めになる高レアリティのキャラクターに、今までの2倍のコストをかけます。それをすることによって、ユーザーさんの満足度は、よほど上がるんですよね。このコストの20・80の使い方というものが、イラストアセットを11万タイプも持っていることによって、実現しています。これがもう一つの、GSアセットの典型例です。

あと、サーバーコスト圧縮。スケールメリットと、やはりこれまでのサーバーコスト圧縮のノウハウです。サーバーコストの圧縮は、まずはボリュームディスカウントである事業者さんにお願いする。これはわかりやすいのですが、一つひとつのゲーム運営の中で、最適なサーバコストのチューニングの仕方が、ノウハウとしてございます。

サーバーコストの圧縮は、単純にサーバーサイドやインフラサイドだけではなく、エンジニア……要は、アプリケーションの造りの一つひとつを、もともと50万人用に作っていたアプリの造りを、しっかりと10万人用・5万人用・1万人用に作り変えていくことによって、サーバーのコストは本当に、5分の1とかに圧縮することができるんですね。ここの部分のノウハウが、フレームワークとして溜まっていっているということが、サーバコスト圧縮に活きてくるものになっています。

あと、広告宣伝費。当社が上場させていただいた時点からご紹介している、CroProという相互送客ネットワーク。要は、お金をかけずに新たなユーザーさんを引き込むことができるという仕組みです。そのCroProの送集客や、ASO……アプリケーションのストアにおけるSEOです。このASOのノウハウも、やはり多数タイトルで日々ABテストをやっておりますので、ノウハウとして溜まっていきます。それをまた、40タイトルに展開をしていくということをサイクルすることで、ASOによるユーザーさんの流入というのをつくれています。

あと、AIを使ったインハウス運用ですね。結果的に、営業利益がしっかりと高まっていきます。AI……少し言葉を変えると機械学習ということになるのですが、機械学習で、ある程度以上のロイヤルユーザーさんが、この商材をお求めになるかどうか。ないしは、手に入れた時に、それをしっかりと活用されるかどうかという予測については、本当にもう誤差と言いますか、精度90パーセントを超えて、95パーセントぐらいのところで予測することができるようになっています。

商材の分析ですね。それができることによって、本当にムダ打ちがなくなるんです。予測して商材を出して、最適な売上……要は、ゲーム空間がどれだけの売上を上げることができるのかというのが、データに基づいて予測できていますので、その予測値、最適の売上値を作るための商材、その商材を出したらどれぐらい売れるかというのを、予測精度を高めることによって、ムダ打ちがなく、本当に精度の高い商材の投入、売上づくりができるようになっているということなどが、AI化で実現できていることです。

あと、先ほど申し上げました、機械やAIに仕事をどんどん任せていくことによって、一人ひとりが本当にクリエイティブなお仕事に向き合うことができるようになっていきます。実際、そうなっていっています。これによって、本当に余裕の時間ができると、どんどんと新たなインプットをしていきます。

自分でゲームをプレイしたりとか、アニメとか漫画とか、人とのコミュニケーションをやることによってどんどんインプットをして、結果的にパフォーマンスの高い状態、クリエイティブな状態を作ることができます。

まさに、これからやってこようとしている2020年のAI時代においての、人の働き方の一つの実装系を、当社のゲームサービス業の中で行っていっている。そんなものたちです。こういったGSアセットたちを活用することによって、各タイトルを長期利益化し、当社のコンセプトである「10年空間」……みなさまにとって大切な居場所を決して失わせない、喪失させないということを実現していくということをしております。

タイトル数=AI化基盤

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あとこの図は、当社の社内でもよく使うのですけど、これはA面・B面と呼んでいます。

これも、ゲームサービス業を表す典型的な図です。みなさまにPLやBSで可視化されるのは、A面のほうなんですよね。タイトルが積み上がり、その分収益が積み上がっていくという側面。ここについては、当社はずっと100タイトル・100チームを目標として、積み上げをしていっております。

実は、大事なのは、このB面のほう。タイトルが増えたら増えるほど、データとネットワークがどんどん溜まっていって、データとネットワークをアセットに変え、このアセットを各タイトルの利益率向上に注入していく、この構図。

A面で積み上げてB面で蓄積して、B面のアセットをA面に還元する。この構造でやっていることというのが、当社のゲームサービス業の一番の肝です。これをやっていこうとする上で、このような見立てができます。

タイトル数が多いということはイコール、これからやってくるAIの時代において、最も強いデータの基盤を持てているということなんです。国内最大数……今現在は36、これから(2018年)7月になって、また増えています。40タイトルあるという状態で、40タイトルのリアルタイムデータを日々データウェアハウスに貯めて、それをどんどん次なる予測精度を取るためのデータとして使うということをされている会社は、他にはありません。

この国内最大数のゲーム空間のリアルタイムデータが蓄積しているという事実こそが、当社がここからすぐ向こう10年~20年において勝ち抜いていくための、一番の肝です。他社には真似できない機械学習・AI化の基盤を、構築できているということです。

今回「AI」を連呼するページがありますが、私は社内では、今から半年前ぐらいから、「この2020年代は、AIの時代になる」というのを言っているんですね。実際、mynet.aiという会社を作ったりとか、それに向けた取り組みをどんどん進めているんですけれども。

もう間違いないです、2020年代はAIの時代になります。IT時代でいうと、1990年代って感じですね。「IT」「IT」「IT」とみんなが言っていた時代で、次に「ネット」「ネット」といった時代がありました。IT時代からネット時代、その次にくるのがAI時代ととらえています。

というようなことをずっと社内で言っていたら、みなさまもよくご存じの孫正義さんが、まったく同じことを、ついこないだおっしゃっていて。孫正義さんが、「AIを制するものが未来を制する」っておっしゃっていたのですが、ぜひみなさまに覚えておいていただきたいのは、私は、孫正義さんよりも先に言っておりました。

(会場笑)

上原:ちょっとだけ、笑ってもらってよかったです。ただ、これは本当なので、そのようにずっと準備を進めています。実際、このタイトルを積み上げる型の事業モデルになっていたことそのものも、要は4年前にこの事業を始めた時点から、結局、このオンライン時代における事業の構造は、必ずデータ・イズ・キングなのです。

どれだけしっかりデータを蓄積できているか。しかも、それを固有のデータとして蓄積できているかです。リアルタイムのビッグデータです。これを貯めて、しっかりそのデータを活用して、事業・収益に変えていくことができるか。

みなさまがよくご存じの、Google・Amazon・Facebook・Apple。これらは、全員同じですよね。オンラインの業態においてデータを蓄積したものこそが、本当にその領域を制覇します。

我々がこのゲームの領域で戦っていこうとするときに、40クラスターのタイトルのデータをしっかり自分たちのものとして蓄積して、それを収益に変えていくという構造に4年間かけて、しっかりとその基盤を整えてきたのが、いよいよ成果として現すことができる時期が、ここからやってくるなと思っています。

AIスタジオ発足

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それに向けて、また一つ新しいチーム組織を発足しています。

AIスタジオです。こちらは、当社の中で、今2020年代AIの時代になっていくにあたり、それに向かって全領域……ゲーム運営はもちろんのこと、集客の部分であったりとか、クリエイティブ制作の部分、QA、CSなど、あらゆる領域において、AI化を進めていくという方針を持っております。

全領域のAI進化及び、今現在いる650人のメンバー全員が、総AI人材化していくという方針を持っております。全領域AI進化及び、650人総AI人材化。これを進行していく上で、それの一番最初の種になる、本当のモデルケースになっていくチームというのを2チーム持って、そのチームがAIスタジオという私の直下のチームになっています。

このAIスタジオのもとで、先行2タイトル・2チームのAI化実装を開始しています。先ほどもご案内していたような、今の時点でとても作業が多いという状態になっているものを、どんどんAI化・自動化をしていきます。

それによって、考える・創る、本当のクリエイティブなところに向かう時間を増やしていって、結果的に人のパフォーマンスを高めていくということをやっていきます。よく、このAI化・自動化という話をした時に、どうも「人を不要にする、冷たい考え方」というようにとらえる人が多いのですが、違います。

AIというのは、基本的に人を豊かにするものです。人がよりクリエイティブに、人がより人らしくお仕事したり生きていったりするために、AIというのは、それをサポートしてくれる存在です。

私はよく言いますが、「AI」というのを聞いたときに、どうも日本中の人たちに多いのが、「ターミネーター」を想起するらしいんですよね。「人類を滅亡させにやってくる、俺の仕事を奪うやつだ」というようになる人が、どうも多いようですが、明らかに違います。

「ターミネーター」ではなくて、みなさま。これから「AI」と聞いたら、「ドラえもん」を思い出してください。「ドラえもん」です。これから2020年代AIの時代がきたら、「ドラえもん」と一緒に仕事するっていう感覚です。

もう少し年が私に近い方だったら、もう少しだけ近い例が、「パーマン」のコピーロボットです。ピッと鼻を押したら、自分と同じ体になってくれて、自分が人助けしに行ってる間に、勉強などの作業をやっておいてくれるという、コピーロボット。

一番最初に始まるのはコピーロボットのようなAIですし、その先に出てくるのは、「ドラえもん」のような、自分たちの仲間・友達、自分がよりよく生きていくことをサポートしてくれる存在。それが、AIというものです。

これから我々が過ごしていく2020年代は、AIが当たり前になっていって、AIと一緒に仕事するのは当たり前で、そのAIたちをしっかりと、ある意味後輩・部下として活かしながら、AIに助けてもらいながら、よりクリエイティブで、より新しいお仕事に向き合っていくことができる。それが、ここからの時代です。

覚えていますよね? IT時代のスタートの時期、おじさんたちが、「こんなもの、手書きのほうがいいんだ」と言って、パソコンをぜんぜん覚えてくれなかった。そういうおじさんを上に持った世代の方が、多いと思います。あのおじさんたちは、見事にいなくなったと思います。これから起きることは、あれと同じことです。

「AIなんか冷たい」とか「AIなんか、そんなもの難しいからいらない」と言っている人たちは、本当に消えてなくなっちゃいますからね。仕事はそれぞれですが、その人たちには、仕事がなくなってしまいかねない。しかし、しっかりとみんなでAIの時代に向き合って、AIをしっかり活用したお仕事の仕方というものを身につけていったならば、必ず、我々はより豊かに、より人間らしく生きていくことができるようになっていきます。

そういう時代を作っていく上で、我々はゲームサービス業というものにおいて、それの一番最初のモデルケースというものを創っていきたいと思ってます。

なぜ我々がそのモデルケースを創れるかと言うと、このゲーム空間の全データを、リアルタイムで所持できているからなんです。言ってみたら、現実空間もすべてのデータを所持できていたら、もっともっと最適化……AIをもっと賢くして、人をサポートすることができますが、リアル空間のデータを取得しきれていない中で、ゲーム空間のデータを全取得できる状態になっているからこそ、ゲームにまつわるサービスや働き方というものについては、本当にAIをもっともっと賢く、AIによって人も仕事も、もっと豊かにしていくということができると思ってます。

それを実行しようと思って、一番最初のモデルケースとして、2タイトル・2チームをそこに向かわせているという状況にあります。それが、AIスタジオです。

全領域AI進化の推進

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そして、全領域AI進化を進めていっております。

mynet.aiによる、AI運転。当社の、その40タイトルのリアルタイムデータという他社が持てない、他社が真似できないデータを活用しながらの、AIづくりをしています。AI開発ということを、mynet.aiがやります。

それ以外の部分……例えば、最近「RPA」という言葉は市場でも出るようになってきていますけれども、当社がやってきてるBPR自動化というものが、少し言い換えるとRPAです。RPAについては、当社で開発しているものもありますし、あと、やはり他社でしっかりと磨き上げていらっしゃるものもありますので、今現在多くやっていることは、他のRPAの事業者さんと連携をして、当社のこのゲームサービス業におけるプロセスづくりや、その自動化を進めるということなどをしています。

あと、当社のため込んでいるGSアセットたち……送集客やQA、CS。そういったものについても、どんどん他の企業さんたちと連携をして、AI化を進行しています。3本立てですね。当社にしかないものというのは内部で開発をし、それ以外のところは、本当にオープンに多くのAI企業さんと連携をしながら、当社のゲームサービス業におけるAI時代のあり方というものをモデルケースとして作っていってるというのが、現在の状態です。

スマートフォンゲームの市場環境

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仕入の進捗。

今回、こちらも新たな図です。スマートフォンゲームの市場環境を示しています。2014年ぐらいから、当社が得意とする2億円から2,000万円ぐらいの月商額のゲームタイトルの数です。実は、きれいに右肩上がりです。

よく、「スマホゲームってサチっているのではないか?」というようにおっしゃる方がいるので、今回この図を作ってみました。実際、当社の対象マーケット……仕入の対象マーケットは、実はまだまだ右肩に上がってくれております。これを分析すれば、まず『パズドラ』や『モンスト』が、市場を完全に席巻し、月商100億円強を作るような時期がございました。それがだんだんと、横に広がって分散していっているところがございます。

また、長期化するタイトル……2年~3年を超えるようなタイトルが増えてきて、そのあたりのタイトルは、この金額帯のところに着地するところが多いです。ゆえに、そういうタイトル数は、実はどんどん増えていっています。そういったタイトルをターゲットにしながら、仕入活動をコツコツと進めてまいる考えです。

タイトル仕入とエンディング

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100タイトルに向かって、少しこのところ、インシデントに基づくエンディングの発表などもありまして、少し横ばいになっていますが、仕入としては四半期で4タイトルを、新たに獲得できています。

また、第3四半期、(2018年)7月単月でまた2タイトル仕入れることができておりますので、これまでの月1タイトルペースで、時々M&Aみたいな構造というのが継続していると申せるかと思っております。

投資回収の実績(タイトル買取)

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あと、投資回収の実績です。

こちらは、タイトルごとの買取について、2014年・2015年・2016年については、かなり順調に進んでいます。2017年は、先ほどお話しした『モンスターギア バーサス』がそうですが、少しつまずいたタイトルもあります。2018年は、また快調に進んでいます。

投資回収の実績(企業買収)

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次に、企業買収型で行ったもの。

1つ目のポケラボの買収については、かなりプラスの数字を作っており、今もまだまだ元気にやっています。また、グラニのゲーム事業買収についても、立ち上がりとしてはかなり順調の状態です。

ただし、クルーズからの事業買収部分に関しましては、まさに今回のインシデント対象タイトル部分でございますので、こちらについては、回収見通しをいったん諦めて、減損を出させていただきました。ただ、先ほど申しましたとおり、今は右肩上がりで、おおよそ売上額でいうと、一番いい状態に対しての8割ぐらいの売上額には戻ってこようとしておりますので、そこの部分は減損し終わったものの、収益としては積まれ続けるという状況にあります。

ネクストマーケティングの新規事業

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新規事業です。

スタートして、ようやく1年半ぐらいになります。まだまだスタートアップで、決算発表でご説明するほどのところには、まだ至っておりません。ただ、しっかりとお取引先さまが、着実に積まれていっています。みなさまもよくご存じのゲーム企業さまとのお付き合いも、深まっているところでございます。

広告情報の一元管理をはじめとした、スマホゲーム企業向けのマーケティングソリューション及び、今現在ネクストマーケティングという名称で、マーケティングのニュースメディアを発行しております。

とくに、業界のマーケッターの方々……すごく少数ですが、すごく濃いコミュニティになっております。その方々を数千人、直接その方々のあらゆるプロフィールを含めてご登録いただくことによって、ゲーム業界のマーケッターコミュニティーを形成することに成功しております。

それを具現化しておりますのが、ネクストマーケティング・サミットという、業界最大級の800人~900人規模で行っている、マーケティングのサミットでございます。こちらのほうが好評を博していて、この業界のマーケッターの人たちにとっては、ネクストマーケティングというのが、とても好意的な存在になってきているというのが、昨今の状況であります。

コーポレート機能の強化

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あと、組織体制に関して一つ申し上げます。

コーポレート機能です。冒頭で申し上げました澤野が、コーポレート本部長に就任いたしました。澤野のもとで、IT戦略セキュリティ対策はもとより、経営管理・財務戦略・人事戦略を運営してまいります。

当社はベンチャー企業として立ち上がって、上場、そして100億円規模にはなっておりますが、まだまだ正直、自分たちのことを豆粒だと思っています。これから本当に、さらに企業体として大きく成長していこうとする上において、しっかりとした経験を持っている澤野が加わってくれて、コーポレートの基盤を整えてくれるというのは、とくに攻めを行っていく者たちからすると、すごく心強い状態です。

すでに、セキュリティインシデントの陣頭指揮を彼が取ってくれたこともあって、現場のメンバーたちからも信頼を得て、コーポレートを回してくれています。新たな基盤体制を作って、さらなる成長を目指していきたいと思っております。

中期経営ビジョン

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変わらず、領域No.1の成長事業を複数持つメガベンチャーを目指しています。

何度も申しますが、当社自身は、本当に自分たちを豆粒だと思っています。これから成長をしていこうとする上で、インシデント・経営危機のような物事が起きたときでも、しっかりと急回復……四半期で回復できるような体質を持っている組織だということ。これに、すごく自信を深めています。

この組織と、あと途中で少しお話しさせていただきました、AI時代・2020年代時代がやってくる。このAI時代のゲーム企業の新しいかたちを自分たちが創り上げて、それを牽引していく。これは、データを最も蓄積している我々だからこそできるのだということに、自信を深めているところであります。

現時点で豆粒の我々が大きく育っていくところを、ぜひ、みなさまにも見守っていただきたいなと思っております。ぜひ、これからも応援いただければと思っております。

本日はお集まりいただき、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

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