年収1,000万円の人の貯蓄額はどれくらいなのか、興味を感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、その年収レベルでの貯蓄の傾向を見ていきます。

年収1,000万円層はどのくらいいるのか

国税庁の「平成28年分民間給与実態統計調査」(2017年9月発表)によれば、1年を通じて勤務した給与所得者は4,869 万人(男性 2,862 万人、女性 2,007 万人)。そのうち年収1,000万円超の人の割合は4.2%で約200万人です。

年収1,000万円超が200万人という数が人口1億2,000万人の日本の中で多いか少ないかは、人によって感じ方が異なるでしょう。しかし給与所得者全体の4.2%というのは、やはり一部の層であることに違いはありません。

その一方で、総務省が2018年5月に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、2人以上の世帯における2017年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,812万円でした。

なお、この「貯蓄額」には預貯金(普通預金・定期預金など)のほか、有価証券(株式、債券、投資信託など)、さらに積立型の生命保険や個人年金なども含まれています(公的年金や企業年金は含みません)。

年収1,000万円の貯蓄は?

それでは、年収1,000万円世帯の貯蓄はどれくらいなのでしょうか。総務省の2017年家計調査によれば、年収1,000万円以上1,250万円未満の世帯の貯蓄額は100万円未満から4,000万円以上まで幅広く分布しています。

この中で、2,000万円以上の貯蓄がある世帯は全体の39%です。意外と大きな貯蓄額を保有していることに驚いた方もいるのではないでしょうか。なお、1000万円〜2000万円は24%、500万円〜1000万円は21%、500万円未満は16%(うち100万円未満は3%)となっています。

ちなみに、4,000万円以上の貯蓄がある世帯は全体の中で最も割合が高い16%となっています。そして2番目に高いのが貯蓄額2,000万円から2,500万円の9%、次いで2,500万円から3,000万円と3,000万円から4,000万円がそれぞれ7%という結果です。

ここからは、2,000万円以上の貯蓄がある世帯の割合が多い一方、貯蓄100万円未満という世帯もあるという現実が見えてきます。

年収1,000万円なのに貯蓄が少ない人の特徴

年収が1,000万円超の人でも貯蓄がゼロだったり、借金の返済で困窮している人も一定数いるようです。年収が1,000万円を超えたということで、ついつい生活水準を上げていってしまうのが原因です。たとえば、高級住宅地にマイホームを購入したり、高額の輸入車に買い替えたり、子供を有名私立の小学校や中学校に入学させたり、という話も聞きます。

しかし、年収1,000万円といっても、税金や社会保険料などを差し引いた手取り額は750万円前後。年収はアップしたのに、体感としてはそんなに増えた感じがしないという場合もあるほどです。1,000万円という額面の年収だけを見て生活水準を上げすぎると、貯蓄どころか家計は火の車ということにもなりかねません。

年収1,000万円で資産をそれなりに築いている人の特徴

一方、資産を着実に増やしている人もいます。このような人たちは浪費することなく、必要なものとそうでないものとの見極めがしっかりしているのが特徴です。必要以上にケチに徹するということではなく、余剰資金が少しでもあれば貯蓄する人、また株や投資信託などの投資に回してお金を遊ばせずに増やすことを心掛けている人もいます。

さらに、換金性の高い金融資産ではなく、不動産投資などで副収入や資産を増やす人もいます。特に不動産投資をする人はお金の投資効率を最も重視し、不動産投資にあたっては投資ローンを組んでなるべく自己資金を使わないようにしているといいます。

まとめ

年収1,000万円の人の貯蓄はどれくらいあるのかについてお伝えしました。年収が高くてもここにある悪い例にならないよう、しっかりと自分の足元を見て生活していくことが大切です。ぜひ参考にしてみてください。

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LIMO編集部