シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手鉄道企業である阪急阪神ホールディングスです。

阪急阪神ホールディングスの平均年間給与はいくらか

阪急阪神ホールディングス(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 919.5万円と900万円を超えています。また、従業員の平均年齢は42.3歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は19.1年となっています。

阪急阪神ホールディングスの従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で86名。単体で80人以上の従業員数がいます。

また、連結の従業員数は2万2152名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 都市交通:9338名
  • 不動産:2276名
  • エンタテインメント・コミュニケーション:2167名
  • 旅行:1828名
  • 国際輸送:2882名
  • ホテル:2480名
  • その他:871名
  • 全社(共通):310名

過去5年の業績動向

阪急阪神ホールディングス(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、営業収益(売上高)ですが、過去5年をみると概ね増収傾向が続いています。2017年3月期に対前年度比で減収となった年がありましたが、それを除いては増収です。2014年3月期に6791億円であった水準が、2018年3月期には売上高は7602億円となっています。

また、経常利益についても増益傾向が継続しています。経常利益も営業収益と同様に2017年3月期に一時的に減益となっていますが、それを除けば増益です。2014年3月期には811億円の水準であったものが、2018年3月期には1037億円にまで増加しています。

最後に、投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は、おおむね増益傾向ですが、2018年3月期は対前年度比で減益となりました。2014年3月期には463億円あったものが、2018年3月期には663億円となっています。

今後の注目点

阪急阪神ホールディングスは「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」を策定しています。

同長期ビジョンの中で「深める沿線 拡げるフィールド」というスローガンのもと、下記4つの戦略を通じて持続的な企業価値の向上を図ろうとしています。

  • 関西で圧倒的No.1の沿線の実現
  • 首都圏・海外での安定的な収益基盤の構築
  • ブランド価値の最大化と差別化戦略の徹底追求による競争力強化
  • グループ総合力の更なる発揮と新事業領域の開拓

阪急・阪神の経営統合から20年を迎える平成37年度(2025年度)において営業利益で1200億円、EBITDAで2000億円、「有利子負債/EBITDA倍率」で5倍台の維持を目指しています。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部