2. 「富裕層」と「超富裕層」の世帯数や保有資産額はどう増えた?


「富裕層」と「超富裕層」の世帯数や保有資産額は、この10年ほどでどのように変化してきたのでしょうか。

特に、「アベノミクス」の始動時期に当たる2013年以降、2021年の最新調査までの動きを振り返ってみると、その推移から日本の経済や資産分布の変化が見えてきます。

これらの期間で、上位層の資産規模や世帯数がどのように増減してきたのかを詳しく確認してみましょう。

  • 2013年:95.3兆円・100.7世帯
  • 2015年:272兆円・121.7世帯
  • 2017年:299兆円・126.7世帯
  • 2019年:333兆円・132.7世帯
  • 2021年:364兆円・148.5世帯

2013年に95.3兆円だった「富裕層+超富裕層」の資産規模は、2021年には約3.8倍の364兆円に拡大しています。また、2つの層の世帯数合計も、この期間で約1.5倍に増加しました。

この背景には、株式など資産価値の上昇が影響していると考えられます。

現在の日本は超低金利のため、預貯金だけで資産を増やすのは難しいと言えます。投資には元本割れのリスクがあるものの、資産価格の上昇によって「準富裕層が富裕層へ、富裕層が超富裕層へ」と繰り上がるケースが増えたと推測されます。

「資産価格の上昇」に関連して、次では保有資産を年率4%で運用できた場合のシミュレーションをおこなってみます。