2024年12月20日、厚生労働省が「令和6年 高年齢者雇用状況等報告」を発表しました。
それによると、70歳までの就業機会確保を進める企業が増えています。「定年制を廃止」したり、「定年を引き上げ」たりするなど、就業確保の措置をした企業が2.2ポイント増加しました。
「人生100年時代」と言われる時代、私たちの老後も長くなっていくでしょう。
高齢者の雇用機会が増えていることを見ると、これからの働き方について考え直す時期かもしれませんね。
一方で年金だけに頼っていると、ちょっと不安という人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、厚生年金や国民年金の平均月額をチェックしながら、老後資金をどう準備していくべきかを考えてみます。
1. 公的年金のしくみとは?厚生年金と国民年金をチェック
まず、公的年金制度について確認しておきましょう。
日本の年金は「国民年金(基礎年金)と厚生年金」の2階建てです。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
1.1 1階部分:国民年金
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入
- 保険料は全員一律
- 40年間欠かさず納めれば満額が受け取れる
1.2 2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料は収入に応じて(上限あり)変わる
- 加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい
最近では、公的年金だけでは老後の生活が不安ということで、「個人年金保険」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった、私的年金(3階部分)を準備する人も増えています。
なお、2025年度の年金額は下記の通りになりました。
1.3 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
次章で、過去の厚生年金の平均年金月額を見ていきましょう。