会社員や公務員は、厚生年金に加入します。毎月の給与から天引きされる保険料が高いと不満に感じている人もいるかもしれません。
ただし、厚生年金保険料はすべてを従業員が負担しているわけではありません。本記事では、厚生年金保険料の仕組みや負担額について紹介します。
会社員や公務員で毎月の給与から厚生年金保険料が天引きされている人は、ぜひ本記事を確認してみてください。
1. 厚生年金保険料は労使折半
毎月給与から天引きされる厚生年金保険料は、実は保険料全体の半額です。
これは、厚生年金保険料が労使折半という、会社と従業員が半額ずつ負担する仕組みとなっているためです。
【写真全6枚】1枚目/公的年金のしくみ図、2枚目/厚生年金保険料額表「自己負担額と企業負担額はいくら?」1/6
たとえば、毎月2万円の厚生年金保険料が給与から天引きされている人は、会社も月2万円を支払っていて、合計保険料は月4万円となります。
そのため、厚生年金保険料は従業員の負担になるだけでなく、会社の負担となることを覚えておきましょう。
2. 厚生年金保険料はいくらなのか
厚生年金保険料の仕組みを解説しましたが、具体的にはいくら保険料がかかるのでしょうか。
厚生年金保険料は、月々の給与や手当を基にした等級によって金額が決まります。
たとえば、給与や手当の標準額が月額30万円であれば、等級は「19」となり、毎月の合計保険料は5万4900円です。会社と従業員が2万7450円ずつ負担します。
また、給与や手当の標準額が月額40万円であれば、等級は「24」となり、毎月の合計保険料は7万5030円、会社と従業員が負担する金額は3万7515円です。
ざっくりと計算したい際には、月収×18.3%が合計保険料で会社と従業員は月収×9.15%ずつを負担すると覚えておきましょう。
また、ボーナスにも厚生年金保険料は発生します。ボーナス×18.3%がおよその合計保険料です。
3. 厚生年金はいくらもらえるのか
現役時代に多くの厚生年金保険料を支払う高年収の人ほど、老後にもらえる年金も高額になります。
では、いったいどれくらいの年金を老後に受け取ることが可能なのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額(国民年金+厚生年金)は以下のとおりです。
- 1973年生まれ
- 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
- 65歳から年金受取を開始
シミュレーションの結果は以下となります。
3.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)
平均年収 年金受給額の目安(額面)
- 200万円 月10万7000円
- 300万円 月12万7000円
- 400万円 月14万2000円
- 500万円 月16万2000円
- 600万円 月18万1000円
- 700万円 月19万7000円
- 800万円 月21万3000円
- 900万円 月23万4000円
平均年収200万円の人がもらえる年金は月10万7000円であるのに対し、平均年収900万円の人はその倍以上である月23万4000円もの年金を受給できます。
いかに、現役時代に納めた年金保険料が多いかで、老後に豊かな暮らしを送れるかがわかるでしょう。
4. 厚生年金保険料を納めるのはデメリットばかりではない
厚生年金は納める保険料が高いというデメリットが強調されることも多いですが、保険料を納めるほど老後にもらえる年金も増えます。
そのため、現役時代に負担が大きくても、老後のためになっていることを忘れてはいけません。
ぜひ、少しでもゆとりのある老後を目指すために、年収を上げて多くの厚生年金保険料を支払うことを目指してみてはいかがでしょうか。
4.1 ご参考:老齢年金(国民年金・厚生年金)の平均受給額
国民年金の平均月額
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
厚生年金の平均月額(国民年金を含む)
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
国民年金
厚生年金
参考資料
- 厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第2 公的年金制度の体系(被保険者、保険料)」
- 厚生労働省「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)」
- 厚生労働省「公的年金シミュレーター」
- 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
苛原 寛