2. 社会保険上の「106万円の壁」「130万円の壁」
年収103万円の壁は、所得税がかかるラインのことですが、社会保険への加入ラインとなる「106万円の壁」「130万円の壁」も忘れてはなりません。
年収106万円の壁とは、勤務先の社会保険の加入対象になるかどうかのラインです。従業員数51人~100人の企業等で働いているパート・アルバイトで、以下の条件に該当する方が対象です。
- 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
- 賃金が月額8万8000円以上
- 雇用期間が2カ月を超える見込みである
- 学生ではない
一方、年収130万円の壁は、上記のような条件を問わず、配偶者や親の扶養から外れて自分で社会保険に加入し、保険料を納める必要が生じるラインのことです。
収入が増えても、社会保険料を納めることで、かえって手取り額が減る可能性があります。
所得税における年収103万円の壁が引き上げられても、社会保険の壁が既存のままの場合、年収を大きく増やすことは難しいといえるでしょう。
なお、厚生労働省では、最低賃金の引き上げにより年収106万円の壁の必要性が低下しているとし、廃止案をまとめたとの報道があります 。