「新NISA元年」としてスタートした今年。
今年は、日銀のマイナス金利解除という大きなニュースがあり、市況に大きな影響がありました。株価の暴落や円の高騰などで、苦い経験をした方もいらっしゃるかもしれません。
いよいよ2024年も終わりを迎える時期になりましたので、今年の運用成果を総括して、来年の投資計画を考えていきましょう。
興味のあるセクターや金融商品などに投資をするのも悪くありませんが、来年の投資スタンスも、基本は長期・積立・分散投資を続けていきたいところです。
そこで今回は、新NISAを活用した積立投資で投資金額別、想定利回り別に、予想される運用成果をシミュレーションしてみます。さっそくみていきましょう。
1. 【おさらい】NISAとは?
1.1 NISAの積立投資、メリットは?
NISAは、個人の資産形成を促進するために作られた、個人投資家向けの税制優遇制度です。「少額投資非課税制度」とも呼ばれます。
新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」
通常、特定口座などで取引をすれば、運用益に対して20.315%が課税されますが、NISA口座では非課税になります。税金で引かれていたお金を投資に回すことができるので、当然ではありますが、NISA口座で運用する方が効率的です。
時間を経るにしたがって、複利の効果を得やすくなることもメリットのひとつです。
1.2 つみたて投資枠・成長投資枠で積立投資が可能
【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」
新NISAには前制度の特徴を引き継ぐ「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設定されています。以前のNISAでは、同時に両枠を使用することができませんでしたが、新NISAでは併用が可能です。
また、それぞれの枠で積立投資ができることに加え、国内外株式の積立投資もできます。
1.3 NISAで購入できる商品は?
現在、つみたて投資枠で購入できるのは、一定の条件を満たした投資信託とETFです。インデックスファンドを中心にラインナップ数は301本ありますが(2024年10月24日現在)、金融機関によって取り扱い本数は異なります。
一方、成長投資枠では、つみたて投資枠で購入できる投資信託やETFを購入できるほか、アクティブファンド、国内外株式、REITなど、幅広く商品を選択することができます。
NISAでは、つみたて投資枠、成長投資枠ともに、長期・分散・積立投資に向いている商品が投資対象商品となっているため、株式なら監理・整理銘柄、投資信託であればデリバティブで運用されている商品などは対象外です。
たとえば、ベンチマークの数倍となる運用成果を目指すブル・ベアファンドなどは、NISA口座で購入することはできません。
2. 【新NISAの積立投資】「月3万円vs月5万円」20年後をシミュレーション
それでは、さっそくシミュレーションをおこなっていきましょう。
投資金額に関しては、一般社団法人 投資信託協会の調査(※1)より、月次積⽴投資希望額を参考にします。毎月の積立額は「1万円」と「5万円」にし、20年間、各期待リターンで積立投資をした場合を計算します(※2)。
※1 一般社団法人 投資信託協会の調査(投資信託に関するアンケート調査報告書-2023年(令和5年)NISA,iDeCo等制度編)によると、成⻑投資枠での月次積⽴投資希望額の平均は4.8万円、つみたて投資枠では3.3万円
※2 記事のシミュレーションは金融庁のつみたてシミュレーターを使用して計算
2.1 【シミュレーション①】毎月3万円の積立投資・20年間・想定利回り1~7%(年)
それでは、毎月3万円を20年間、想定利回り1~7%で積立投資した場合、資産はどのくらい増えるのかについて、計算してみます。
【シミュレーション①】毎月3万円の積立投資・20年間・想定利回り1~7%(年)1/2
出所:筆者作成
- 年1%:797万円
- 年2%:884万円
- 年3%:985万円
- 年4%:1100万円
- 年5%:1233万円
- 年6%:1386万円
- 年7%:1563万円
※元本は720万円
※上記はあくまで単純計算したものです。将来の投資成果を約束するものではありません。
2.2 【シミュレーション②】毎月5万円の積立投資・20年間・想定利回り1~7%(年)
次に、毎月5万円を20年間、想定利回り1~7%で積立投資した場合、資産はどのくらい増えるのかについて、計算してみましょう。
【シミュレーション②】毎月5万円の積立投資・20年間・想定利回り1~7%(年)2/2
出所:筆者作成
- 年1%:1328万円
- 年2%:1474万円
- 年3%:1642万円
- 年4%:1834万円
- 年5%:2055万円
- 年6%:2310万円
- 年7%:2605万円
※元本は1200万円
※上記はあくまで単純計算したものです。将来の投資成果を約束するものではありません。
投資金額や利回りが高いと運用成果は、当然ながら良くなります。さらに複利の効果も大きくなるので、ある程度の金額と期間で積立投資をしたほうが、投資の成果を実感しやすくなるでしょう。
ただし、リターンが増加すれば、リスクも比例して増えることになります。投資はリターンを求めておこなうものですが、そのためには投資を長く続けることも必要です。
長く続けるためにも自身のリスク許容度を踏まえた上で、無理のない積立金額で投資をおこなうことをおすすめします。
3. まとめにかえて
本記事では、積立金額別に、20年後に得られる運用成果についてシミュレーションをおこないました。
上記でご紹介したシミュレーションは、想定利回りで計算したもので、将来の投資成果を約束したものではありません。あくまで参考としてお役立てください。
長期投資は複利効果を得やすく、20年運用を続けることができれば、上記のような資産形成が実現する可能性も高くなります。とくに20歳代、30歳代、40歳代の方は、25年、30年と継続していくことをおすすめします。
投資先には今後成長が見込まれる資産を選び、リスク軽減のための分散投資も忘れないでくださいね。