新NISAについて取り上げられることが多かった2024年ですが、まだ新NISAを始めていない人も多いことでしょう。

「本当に新NISAは始めたほうがいいのか」「iDeCoは何が違うのかわからない」と考えて情報収集をしようとしても、情報が多くてどの情報を信じてよいのか判断も難しくなるのではないでしょうか。

「もしかして新NISAもiDeCoも辞めた方がいいのではないか」と感じる人のために、元銀行員で企業型DCやiDeCoの講師を担当していた筆者の経験をご紹介します。

新NISAやiDeCoを始めた人が「損してしまった…」と後悔したポイントに重点をあてて解説していきます。

1. 後悔(その1):新NISAとiDeCoを使い分けできていなかった

新NISAのつみたて投資枠やiDeCoは、いずれも投資信託を活用する仕組みで、毎月一定額を積み立てて資産を育てていく制度です。

共通点が多い一方で、制度ごとに特徴や違いもあります。自分の資産運用の目的やライフプランに合わせて使い分けることで、資産設計をよりスムーズに進めることができます。

ここでは、具体例を2つ挙げて、その違いや使い分け方をわかりやすくご紹介します。

1.1 非課税枠の違い

【写真全5枚】手元にお金を用意したいときどうするか 後半で「新NISAとiDeCoの違い」を表でご紹介

悩む画像

出所:Tatsiana Khamitskaya/shutterstock.com

非課税枠は、新NISAとiDeCoでは異なります。

新NISAのつみたて投資枠の非課税投資枠は毎年120万円で、すべてつみたて投資枠で行った場合には、合計1800万円まで投資をすることができます。

たとえば、つみたて投資枠で毎年120万円の投資を行った場合に、15年続けると1800万円の枠を使用することができます。

一方、iDeCoは働く職場や働き方によって、月々の掛金上限額が異なります。