2025年2月14日は、今年最初の年金支給日です。
現役世代の人の中には、「年金はいくらもらえるのだろうか」と、老後の生活に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
実は「年金生活者支援給付金」という制度があり、これは低年金の方をサポートするために支給される追加の給付金です。
申請すれば年金に上乗せされる仕組みとなっています。
今回はこの「年金生活者支援給付金」の仕組みと、国民年金や厚生年金の平均受給額についてもわかりやすく紹介します。
年金生活を少しでも楽にするために、ぜひチェックしてみてくださいね。
1. 年に約6万円が支給される「年金生活者支援給付金」とは?種類を解説
「年金生活者支援給付金制度」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、年金に上乗せして支給されるものです。
消費税が増税されたことをきっかけに、2019年10月1日からスタートしたまだ比較的新しい制度です。
1.1 年金生活者支援給付金の種類3つ
年金生活者支援給付金は3種類存在し、受け取る年金種類によって支給される給付金が変わります。
- 老齢年金生活者支援給付金:国民年金(老齢年金)を受給
- 障害年金生活者支援給付金:障害年金を受給
- 遺族年金生活者支援給付金:遺族年金を受給
上記のいずれかの年金を受給しており、一定の要件を満たしている場合に年金生活者支援給付金が支給されます。
老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人、障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象者はあわせて約200万人でした。(※制度創設時期での試算)
このように、多くの年金世帯が給付金の支援を受けているのが現状ですが、年金生活者支援給付金を受け取るための要件はどのようなものがあるのでしょうか。
各年金生活者支援給付金の要件を確認していきましょう。
2. 年金生活者支援給付金制度の要件
本章では、老齢年金、障害年金、遺族年金を受給している人が受け取れる年金生活者支援給付金について、それぞれの対象者を整理します。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が87万8900円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 77万8900円を超え87万8900円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
2.2 障害年金生活者支援給付金の要件
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額
2.3 遺族年金生活者支援給付金の要件
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額
続いて、2024年度における年金生活者支援給付金の支給額も見ていきます。
3. 【一覧表】年金生活者支援給付金の支給額はどのくらい?
年金生活者支援給付金の支給額は毎年度改定がされており、2024年度は増額となりました。
給付額も要件と同様、老齢年金、障害年金、遺族年金を受給している人それぞれで異なるため、それぞれの給付額を確認していきましょう。
3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給金額
老齢年金生活者支援給付金の場合、「月額5310円」を基準に保険料納付済期間等に応じて算出されます。
たとえば、1956年(昭和31年)4月2日以後生まれの方で、保険料の納付済月数が480カ月、全額免除月数が0カ月の場合の給付額は5310円になります。
3.2 障害年金生活者支援給付金の支給金額
- 障害等級2級:月額5310円
- 障害等級1級:月額6638円
3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給金額
- 月額5310円
いずれも月額の金額となっており、年額にすると約6万円になるでしょう。
また、年金生活者支援給付金は2ヶ月に1回の支給となるため、実際には2ヶ月分が一度に振り込まれることになります。
4. 年金生活者支援給付金は申請しないと「1円ももらえない」
年金生活者支援給付金を受け取るためには、「年金」とは別に手続きが必要です。
本章では、手続き方法について「これから年金を受給する人」「すでに年金を受け取っている人」の2パターンで紹介します。
4.1 これから年金を受給する人
これから65歳を迎える人の場合、誕生日の3ヵ月前に、老齢基礎年金の請求書とあわせて給付金請求書が送られてきます。
同封された給付金請求書に必要事項を記入したうえで、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
4.2 すでに年金を受け取っている人
すでに年金を受け取っている人が、所得の減少により給付の対象となった場合、9月1日以降に年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送付されます。
年金生活者支援給付金請求書が届いたら、請求書の太枠内を記入し、郵便ポストに投函すると手続きできます。
すでに年金を受け取っている人の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なるため、留意しておきましょう。
なお、一度手続きすると毎年の手続きは原則不要です。
継続支給の判定結果は、前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支払)から1年間反映されます。
では、現在の高齢者は、どれほどの年金収入があるのでしょうか。
5. 国民年金・厚生年金は平均でいくらなのか
最後に、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金保険(第1号) と国民年金受給権者の平均年金月額を見ていきましょう。
5.1 厚生年金保険(第1号)
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金の金額を含む
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
5.2 国民年金
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
平均とボリュームゾーンが一致しない様子がわかります。
年金額は、現役時代の収入や加入期間によって異なるので、給付金を必要とする世帯も十分な金額をもらえる世帯も混在しているのです。
ただし、多くの年金がもらえる世帯は、それほど現役時代に稼いでいた世帯といえるので、「老後になると収入が激減する」という意味ではほとんどの世帯に共通するのかもしれません。
6. まとめにかえて
「年金生活者支援給付金」について解説してきました。
老後の生活が不安な方には、少しでも安心材料になるかもしれませんね。
低年金の世帯に支給されるこの給付金は、申請すれば年金にプラスして支給されるため、生活が少し楽になる可能性があります。
また、国民年金や厚生年金の平均受給額も確認してきました。自分の将来に向けて、どんな支援があるのかしっかりチェックして、備えを進めていきましょう。
7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
7.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
7.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
7.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。








