3.4 平均で「毎月▲3万7916円の赤字」…今後の物価上昇が家計を圧迫する
上記をご覧いただくとわかるとおり、65歳以上・夫婦のみの無職世帯の家計収支において、収入のうち公的年金は21万円台が平均でした。
一方で、消費支出合計は28万2497円となっており、全体を見ると毎月の収支は4万円近くの赤字でした。
現代のシニアであっても毎月の収支は赤字であり、貯蓄を切り崩す方もいるかと思います。
また、少子高齢化の日本において、現役世代の方が老後を迎えるころには年金額が減る可能性もあります。
老後資金についてはさまざまな方法でしっかり備える必要があるでしょう。
4. まとめにかえて
今回は、総務省統計局と厚生労働省年金局の調査データをもとに、65歳以上・無職夫婦世帯における「平均貯蓄額、平均年金月額、1カ月の生活費の平均」を見てきました。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯は、平均で毎月4万円近くの赤字が出ていることがわかりました。
また、毎月の食費の平均は7万2930円となっており、今後も続く可能性のある物価高の影響に不安を感じた方もいるのではないでしょうか。
このまま物価高が続くと、現在の現役世代が老後を迎える頃には、今のシニア世代が負担している生活費よりも、より多くのお金が必要となる可能性が考えられます。
老後を迎え生活に困ることがないよう、今のうちからご自身やご家族の年金見込み額や、家計の状況について把握するなどして、将来に向けて少しずつ準備をはじめていけるとよいですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
安達 さやか