物価高が続くこのご時世においても、日本では富裕層が増え続けています。

純金融資産「5億円以上」の超富裕層は日本にどれくらいいるのでしょうか。

今回は、日本にいる富裕層の割合や、富裕層が増えた背景について解説します。

また、元証券会社勤務の社員で、富裕層向けの資産運用アドバイザーであった筆者の経験をもとに、食事における「富裕層の3つの特徴」をまとめました。富裕層に興味がある方は、ぜひご覧ください。

1. 元証券会社社員が見た、富裕層に共通する3つの特徴「食事編」

【写真1枚目/全5枚】ラーメン好きな富裕層が多い傾向にある。次は日本での富裕層の世帯数や「富裕層の増加傾向」をご紹介1/5

ラーメンとチャーハン

出所:kamadon/shutterstock.com

ここからは、元証券会社社員の筆者が見てきた、食事における「富裕層の共通点」をまとめてみます。

1.1 【特徴1】高級なものを必ずしも好むわけではない

「お金持ちの食事」と聞くと、高級料理を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

たしかに、お金持ちの方は、商談やプライベートなどの特別な日に、高級料理に舌鼓を打つ時もあります。

しかし、筆者が見てきたお金持ちの方は、高級なものを必ずしも好むわけではなく、食べたいものを、食べたいときに召し上がる方が多かったです。

なかには、高級車のロールスロイスに乗って、仕事の合間に1人でリーズナブルなラーメン屋さんにランチを食べに行かれる方もいらっしゃいました。

1.2 【特徴2】ラーメン好きな方が多い

お金持ちの方は、ラーメン好きな方が多い傾向にあります。

仕事が多忙なのはもちろんのこと、プライベートな付き合いも多い傾向にあるため、時短でサッと食べられるラーメンが人気でした。

また、出張の際に、その土地の高級食材を堪能するとは限らず、お気に入りのリーズナブルなラーメン屋さんに足を運ぶ方もいます。

なかには、高級な料理をいつでも食べられる環境にありながらも、「仕事で徹夜したあとのカップラーメンが一番美味しい」とおっしゃるお金持ちの方もいらっしゃいました。

1.3 【特徴3】食べたぶんだけしっかり運動

お金持ちの方は、健康管理や体形維持に気を使われている方が多いです。

しかし、仕事が忙しく夜遅くまで働いた後に、付き合いや商談などで会食もあるため、食事をする時間が遅くなりがちな方もいらっしゃいます。

その場合、会食の場ではしっかり飲んだり食べたりする傾向にありますが、歩いて帰宅したり、翌日ジムで運動するなどして、健康管理に努めたり、お気に入りの洋服をスマートに着こなせるよう体形維持に励んだりしていました。

ここまでは、元証券会社勤務の社員で、富裕層向けの資産運用アドバイザーであった筆者の経験をもとに、食事における「富裕層の特徴」についてまとめてきました。

では、どのくらいの資産がある方を「富裕層」と呼ぶのでしょうか。次章では、富裕層の定義や世帯数について見ていきます。

2. 【定義と世帯数】そもそも富裕層とは何か

富裕層について語る前に、野村総合研究所の資料をもとに、富裕層について簡単にまとめてみます。

2.1 富裕層の定義とは

そもそも富裕層とはどのような定義なのでしょうか。

野村総合研究所による報告によれば、富裕層とは「純金融資産で1億円以上保有」している世帯と定義しています。

また、同基準で5億円以上保有する世帯を「超富裕層」と呼んでいます。

2.2 富裕層は日本にどれくらいいるのか

日本には純金融資産1億円以上の富裕層(ここでは超富裕層も含みます)が148万5000世帯存在しています。

割合にすると全体世帯数の2%程度が富裕層以上ということになります。

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

この富裕層をさらに細かく分類すると、資産1億円以上5億円未満の「富裕層」が約2.6%(139万5000世帯)、5億円以上の「超富裕層」が約0.2%(9万世帯)を占めています。

全世帯数は5413万4000世帯とすると、資産1億円以上の世帯は約2.7%ということになります。

3. 【データ】増え続ける日本の富裕層世帯数…2021年には148万世帯を超えた

賃金も上がらず、物価などからくらしが苦しいと嘆く人が多い中、富裕層が増え続けるにはどのような理由があるのでしょうか。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移3/5

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」

2005年から2021年にかけて、富裕層は増加しています。

富裕層と超富裕層が保有する資産総額の推移は以下の通りです。

  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円

2015年と21年で比較してみると、総資産額は実に34%も増加しています。

4. 【ご参考】日本の富裕層が増えた3つの背景

資産形成4/5

資産形成

出所:Tinnakorn jorruang/shutterstock.com

それでは、なぜ日本で富裕層が増え続けているのか、その背景について見て行きましょう。

日本で富裕層が増え続けている理由として、様々な要因が考えられますが、今回は以下のような要因をあげてみます。

4.1 【背景1】国内外の株価上昇

皆さんもご承知の通り米国の株式市場は長期的に堅調に推移し、ダウ工業平均株価やS&P500といった株価指数は、でこぼこはありながらも長期的に上昇トレンドとなっていました。

また、米国だけではなく、世界的な株高が継続してきたという背景もあるかと思います。

富裕層はそうでない世帯と比較して一般的に株式の保有額やその比率が高いことから、株式市場の環境が資産額の増減に影響を及ぼします。

そのため、富裕層が増えた背景として、国内外の株価の上昇が影響していると考えられます。

4.2 【背景2】非課税枠のある投資制度の充実による資産形成機会の拡大

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資産形成

出所:tadamichi/istockphoto.com

また、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度の登場も無視はできません。

旧NISAは以前からありましたが、やはり多くの人が投資を始めたきっかけというと、2018年にはじまった「つみたてNISA」は多いのではないでしょうか。

NISA制度は2024年より「新しいNISA(いわゆる新NISA)」として展開されています。

10年近い期間を経て、こうした非課税枠のある投資制度の拡充により、個人が資産形成に関わる機会は増えてきました。

10年前に投資に興味がなかった人も、NISAなどの制度をきっかけとして証券投資をはじめたという人は多かったのではないでしょうか。

先ほども指摘した通り、世界的に株価はこれまで長期にわたり上昇傾向にあり、早い段階で資産形成を始めた人ならば相応の利益が出ていることが推測できます。

4.3 【背景3】相続や贈与によるもの

富裕層になった人のなかには、相続や贈与から多額の資金を手に入れた人もいるでしょう。

高齢化が進む日本では、親などから資産を受け継ぐ人が増え、結果として富裕層の数が増えている可能性もあります。

一般的な家庭であっても「遺産分割で祖父母の遺産を継いだ」という人も少なくありません。

こういった株式市場の好調さ、資産形成の機会拡大、また人口動態の変化などが、富裕層の増加に寄与した可能性があります。

結果として、本人の意図しないところで富裕層の仲間入りを果たした、という人もいるでしょう。

5. まとめにかえて

今回は、日本にいる「富裕層の割合」や、食事における「富裕層の特徴」について解説しました。

日本には、純金融資産「5億円以上」を保有している超富裕層が9万世帯いることがわかりました。

割合として、全体世帯数の約0.2%を占めています。

日本で富裕層が増えた背景として、国内外の株高や、資産形成、相続や贈与などが考えられます。

将来に向けた資金の準備を検討している方は、金融市場や経済の流れなどを見ながら、自分に合った資産形成の方法を検討してみてはいかがでしょうか。

今後の資産運用の参考になれば幸いです。

参考資料

安達 さやか