「老後は年金を収入源に悠々自適な生活を送りたい」と考えている人もいますが、実は年金だけでは生活が厳しい世帯が多いことをご存知でしょうか。
実際に、厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は「41.7%」となっています。
つまり、高齢者世帯の約2世帯に1世帯以上が、年金だけでは生活費をカバーできずに、別の手段で生活費を補填しているのが現状です。
このように現代では、年金だけに頼って老後生活を送ることが難しくなってきていますが、政府はこのような世帯に対して給付金支援を実施しています。
本記事では、低年金世帯を支える「年金生活者支援給付金」について詳しく紹介していきます。
現在のシニア世代が受け取っている年金の平均額についても紹介しているので、参考にしてください。
1. 「年金生活者支援給付金」とは?概要や対象者を確認
年金生活者支援給付金は、年金やその他の収入が少なく、生活が厳しいシニア世帯を対象に、生活を支えるために年金に上乗せして支給されるものです。
この給付金は、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受け取っている人の中で、特定の要件を満たした方が支給の対象となります。
たとえば、国民年金(老齢基礎年金)を受給している人は、下記の要件全てを満たしている場合に「老齢年金生活者支援給付金」を受け取れます。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下
また、障害年金・遺族年金を受給している人では、下記の要件全てを満たしている場合「障害年金生活者支援給付金」もしくは「遺族年金生活者支援給付金」を受け取れます。
- 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得が472万1000円以下である
現在年金を受給しており、ご自身が年金生活者支援給付金の要件に該当するかどうか確認したい方は、お近くの市町村窓口または年金事務所に問い合わせることをおすすめします。
では、年金生活者支援給付金の対象者は、毎月いくら給付金が支給されるのでしょうか。