積水ハウス株式会社は2024年11月22日に株式会社博報堂とALSOKの3社合同で開発した防犯の新サービス「駆けつけホームセキュリティ」を発表しました。自分の行動で防犯コストを安くできる画期的な取り組みの詳細を、同日開催の発表会情報をもとに解説します。
近年はプラットフォームハウス構想を掲げ、データ活用に積極的な積水ハウスは、2021年12月からスマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch」を開始。すでに4100邸を超える住居に提供しています。
2023年9月からは博報堂との協業で、居住者の「無意識の行動」や「生活モーメント」のAI解析をスタート。PLATFORM HOUSE touchで蓄積したデータから生活習慣や価値観を可視化して家の状態や在宅時間を高精度で確認できるという分析結果を得ました。
今回発表した「駆けつけホームセキュリティ」は、上記の分析データを活用したソリューションです。サービス提供会社として新たにALSOKを加え、PLATFORM HOUSE touchを導入しているユーザーに提供していきます。
1. 【積水ハウスの新防犯サービス】「PLATFORM HOUSE touch」って何?
「PLATFORM HOUSE touch(PFH touch)」はスマホ上に間取り図を表示し、帰宅・外出の通知、部屋の温度・湿度管理、窓の開閉・施錠確認、エアコンなどの一括操作ができるサービスです。
「スマートホームはITリテラシーに期待しない」というコンセプトで設計されており、図面上ですべての操作を行えるので「スマホさえ使えれば誰でも使いこなせる」のが特徴です。
PFH touchはデータの源泉にもなっています。積水ハウスの常務でプラットフォームハウス推進部長を兼任する吉田裕明氏は「博報堂とデータをいかに活用できるかリサーチを行い、『こういうデータからこういうことが予想される』という段階から『正解データ』を導き出せるところまできた」と直近の進捗を説明します。
例えば、電気錠や照明などの機器ログデータをもとにした在・不在の判定では、規則をAI学習し、在宅の場合は適合率95.4%/再現率98.4%、不在の場合は適合率93.1%/再現率81.6%を実現。高い精度で生活者の行動を分析できていることを示しました。