3. 年金受給額を増やす方法
老後に受け取れる年金額を増やす方法として、次のようなものがあります。
- 国民年金の未納分を追納する
- 「付加年金」や「国民年金基金」に加入する
- 繰下げ受給を選択する
国民年金保険に未納分がある場合は、「追納」することで受給額を増やすことが可能です。ただし、追納できるのは、追納が認められた月の前10年以内の期間に限られることに注意してください。
「付加年金」や「国民年金基金」に加入する方法もあります。いずれも保険料や掛け金を納めることで、老齢基礎年金受給時に上乗せされるもので、受給額を増やすことが可能です。
なお、加入できるのは、自営業や個人事業主などの国民年金の第1号被保険者のみとなります。
繰下げ受給とは、受給開始年齢を原則の65歳からではなく、66歳以後75歳までの間に繰り下げて、増額された年金額を受け取れる制度です。1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、5年間では42%増、10年間では84%の増額が可能です。
繰り下げるほどに増額率が大きくなりますが、その分受給期間が短くなるため、繰下げ期間については十分に検討する必要があります。
4. まとめにかえて
シニア女性の老齢年金受給額は、老齢厚生年金が平均約10万5000円、老齢基礎年金が平均約5万4000円です。
特に老齢基礎年金のみを受給する方で老後の生活費に不安を感じる方は、年金額を増やす方法を検討してみてはいかがでしょうか。
また、老齢厚生年金を受給する方も、年金額を増やしたい場合は、40歳代や50歳代などの早いうちから老後資金の貯蓄をすることが大切です。
毎月の給与から先取り貯蓄をするほか、より積極的に貯蓄をしたい場合はNISAやiDeCoといった税制優遇措置のある制度を活用する方法もあります。
それぞれの方法を比較し、ご自身に適した方法で老後資金を増やしましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「繰下げ増額率早見表(詳細版)」
木内 菜穂子