1. 【老齢年金】天引きされるのはどんなお金?
現役世代が給与明細を見て天引きされる金額の大きさに驚くように、シニア世代も老齢年金から税金や社会保険料が基本的には天引きされます。
市役所などの公的な書類では「特別徴収」と表記されていますが、「天引き」と言ったほうが、わかりやすいかもしれませんね。
では、老齢年金から天引きされるお金にはどんなものがあるのでしょうか。ひとつひとつ整理していきます。
1.1 老齢年金からの天引きされるもの
【その1】個人住民税および森林環境税
前年の所得に応じて、一定の条件を満たす場合に住民税は年金から特別徴収されます。
森林環境税も年金から天引きされます。この税金は森林の保全や整備に使われるため、環境保護に貢献するものです。
非課税の場合、支払い義務はありません。
【その2】所得税および復興特別所得税
老齢年金は「雑所得」として扱われるため、所得税および復興特別所得税が天引きされます。
【その3】介護保険料
64歳までは健康保険料と一緒に納付していた介護保険料ですが、65歳以降は単独で納付します。
年金支給額が年間18万円以上であれば、介護保険料は年金から天引きされます。
また、要介護・要支援認定を受けた後も、介護保険料の支払いは一生続きます。
【その4】健康保険料
国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も、年金から天引きされます。
年金からは、現役時代の給与明細と同様に、さまざまな税金や保険料が控除され、実際に受け取る金額が額面よりも少なくなると理解しておくのがよいでしょう。