「2025年問題」が注目を集めています。これは団塊の世帯の方全員が75歳以上となり、日本は5人に1人が後期高齢者(75歳以上)となる超高齢化社会に突入することを指します。今後は人材不足や社会保障費の増大、それに伴う税負担増加、年金受給額額の減少など課題は山積みです。

現役世帯の方は、日々こうしたニュースを目にすることで将来に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、現在の60歳代以降の年代別の年金受給額を確認していきます。

まずはご自身が受け取れる年金額の目安を知った上で、将来の老後の備えについて考えてみましょう。

記事の後半では、年金だけに頼らない老後のためのアドバイスも記載しておりますので最後までご覧ください。

1. 公的年金「国民年金と厚生年金」とは?制度の仕組みと特徴

年金の仕組みは複雑に感じますが、簡単に言うと「国民年金と厚生年金」の「2階建て」の構造になっています。

【写真9枚】1枚目/日本の年金制度のしくみ、2枚目/年金受給額を「一覧表」でチェック!

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1階部分が国民年金で、2階部分が厚生年金で構成されています。

それぞれの役割について、順に見ていきましょう。

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)の特徴は?

国民年金は1階部分に位置し、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人が原則として加入しなければなりません。

2024年度の保険料は月額1万6980円で、毎年改定があります。

年金額は、支払った金額に応じて受け取れる金額が決まり、2024年度の満額は月6万8000円です。

1.2 厚生年金(2階部分)の特徴は?

2階部分にあたるのが厚生年金です。

これは主にサラリーマンや公務員が加入するもので、国民年金に上乗せして支給される年金です。

給料やボーナスに基づいて保険料が決まり、基本的には収入が高いほど年金額も増えますが、上限があることも留意しておきましょう。

では、シニア世代の実際の年金受給額はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均月額を見てみましょう。