ファイナンシャルアドバイザーとして日々お金の相談を受ける中で多い悩みが、老後の資産形成についてです。
特に、将来もらえる年金については「金額が見えないから不安」というのも不安のひとつでしょう。
確かに年金の受給額は、働き方や加入期間によって変わるもの。しかも、今後どれくらい働くのか、正直まだ分からない方がほとんどですよね。
とはいえ、年金という制度についてしっかり理解しておくのはこれから老後を迎える人にとっては重要なのは間違いないでしょう。
では、あなたは「年金生活者支援給付金」という制度を知っているでしょうか。
そこで今回は、この「年金生活者支援給付金」の詳細や、実際に老後生活を送っている方たちがどのくらい年金をもらっているのかを分かりやすくお伝えしていきます。
不安を少しでも解消できるきっかけになればと思います。
1. 「年金生活者支援給付金」でいくらもらえる?金額をチェック
老後の生活の頼りとなる年金ですが、あまりよくわからない点があるかもしれません。
受給年齢まではまだ時間がある現役世代なら、なおさらですね。
公的年金とは、現役世代が支払った保険料を高齢者に給付する「世代間での支え合い」の仕組みを基本とした制度です。
日本の公的年金制度は、20歳以上の全ての人が加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金の2階建て構造になっています。
そして、「年金生活者支援給付金」とは、公的年金等の収入や所得が一定基準額以下の年金受給者に対して、生活を支援するために年金に上乗せして支給される給付金です。
「年金生活者支援給付金」は、老齢年金、障害年金、遺族年金の受給者に対して支給されます。
給付額は以下のとおりです。
1.1 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月
1.2 障害年金生活者支援給付金
- 障害等級2級:月額5310円
- 障害等級1級:月額6638円
1.3 遺族年金生活者支援給付金
- 月額5310円
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額をそれぞれに支給
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間と免除期間に基づいて金額を算出し、合計額を支給します。
たとえば、昭和31年4月2日以後生まれの方で被保険者月数480月のうち納付済月数が480カ月、全額免除月数が0カ月の場合は月額5310円が支給されます。年間になおすと6万3720円です。
次章で、年金生活者支援給付金の対象者を見ていきましょう。