「厚生年金で月額30万円の受給」と聞くと、現役世代の方には十分に思えるかもしれません。しかし、現在の日本経済を取り巻く状況を考えると、その金額でさえ老後の生活を十分に支えられるかどうか、疑問を抱く人も多いでしょう。物価の上昇、光熱費の高騰、さらには少子高齢化といった課題が、家計に影響を与え続けているからです。
厚生年金は働き方や年収によって将来の受取額がかわります。老後の生活において一体いくらくらいの年金があれば安心できるかは各世帯によって異なりますので、ご自身の年金見込額は知っておいてもよいでしょう。
今回は、厚生年金にフォーカスして今一度年金制度について確認し、将来訪れる老後生活に向けて何をしていったらいいのか考えていきます。
1. 日本の公的年金制度は「厚生年金と国民年金」の2階建て構造
「日本の公的年金制度は2階建て」と呼ばれますね。これは、年金のベースとなる「国民年金(基礎年金)」と、上乗せ部分の「厚生年金」という2つの年金制度から成り立つためです。
そして、働き方や立場により「国民年金のみに加入する人」と「国民年金と厚生年金の両方」加入する人に分かれます。次では「国民年金」と「厚生年金」それぞれの基本を確認していきます。