家計簿をつけている人は、実はそれほど多くありません。筆者はファイナンシャルアドバイザーとして資産運用や保険の相談を受ける機会が多いのですが、家計の状況をしっかり把握している家庭は少数派です。生活費について尋ねても、「大体これくらいだと思います」という曖昧な回答が多く、具体的な数字を把握していない人がほとんどです。
また、「お金を貯めなければいけないとは思っているけれど、いくら貯めれば良いのかわからない」「そもそもどうやって貯めれば良いのかわからない」という悩みを持つ人も少なくありません。こうした状況では、目標に向けた計画を立てるのが難しくなりがちです。
今回は、特に年収600万円台の世帯のお金の使い方や課題について、具体的に解説していきます。
1. 個人の平均年収は長らく「400万円台」のまま続いている
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均給与は長い間400万円台で推移しています。
過去数年間の平均年収を見ると、わずかに上昇している傾向が見られます。
1.1 2014年〜2022年:平均年収の推移
- 2014年:421万円
- 2015年:423万円
- 2016年:425万円
- 2017年:434万円
- 2018年:439万円
- 2019年:438万円
- 2020年:435万円
- 2021年:446万円
- 2022年:458万円
上記を見てわかるように、平均年収はわずかに上昇傾向にあるものの、物価上昇が続く中、依然として生活が厳しいと感じる世帯も多いでしょう。
では、賃金上昇の施策が注目される中で、「世帯年収」は増加しているのでしょうか。