年金受給者の一部の人には、12月から老齢年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支給されます。

2019年10月からスタートした比較的新しい制度であるため、「自分は対象になるの?」「そもそも年金生活者支援給付金とは何?」などの疑問を感じる人もいるでしょう。

この記事では、年金生活者支援給付金に関するよくある疑問や質問にQ&A形式で回答します。

年金生活者支援給付金の基礎知識も解説しますので、年金受給中の人は確認しておきましょう。

1. 年金生活者支援給付金の基礎知識

年金生活者支援給付金の疑問や質問に回答する前に基本的な事項を解説します。

1.1 年金生活者支援給付金は公的年金の上乗せ給付

年金生活者支援給付金は、消費税率を引き上げ(2019年10月実施)した分を財源に年金に上乗せして支給するものです。

年金生活者支援給付金制度を設けた目的は、公的年金などが少ない人の生活を支援することです。

そのため、年金額や所得金額によって支援給付金をもらえる人ともらえない人がいます。

1.2 年金生活者支援給付金の種類

年金生活者支援給付金をもらえる可能性があるのは、次の3つの年金受給者です。年金生活者支援給付金の受給要件や受給額は受け取っている年金の種類によって異なります。

  • 老齢基礎年金
  • 障害基礎年金
  • 遺族基礎年金

1.3 年金生活者支援給付金の支給額

障害基礎年金と遺族基礎年金を受給している人の支援給付金額は次の通りです。

  • 障害基礎年金(障害等級1級):6638円
  • 障害基礎年金(障害等級2級):5310円
  • 遺族基礎年金:5310円

老齢基礎年金受給者の支援給付金額は、保険料を納付した月数や免除を受けた月数などによって異なります。下記の早見表を参考にしてください。

年金生活者支援給付金の金額目安【早見表】1/2

年金生活者支援給付金の金額目安【早見表】

出所:生命保険文化センター「老齢年金生活者支援給付金について知りたい」をもとにLIMO編集部作成

 

2. 12月から上乗せで「年金生活者支援給付金」をもらえる人

老齢基礎年金の受給者で12月から新規に年金生活者支援給付金を受給できるのは、次の要件を新たに満たした人です。

  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下(1956年4月1日以前生まれの人は88万7700円以下)

前年度の「市町村民税の課税・非課税」や「その他の所得金額」が判明して新たに年金生活者支援給付金の対象者になると、10月より支給がスタートします。

10月と12月の年金生活者支援給付金は、12月に年金受取口座に振り込まれます。

ここまで、年金生活者支援給付金の基礎知識と12月から上乗せでもらえる人について解説してきました。

次章では、年金生活者支援給付金に関するよくある疑問や質問にQ&A形式で回答します。

3. 年金生活者支援給付金のよくあるQ&A

年金生活者支援給付金に関するよくある疑問や質問にQ&A形式で回答します。

3.1 Q1.年金生活者支援給付金はいつまで受け取れますか?

年金生活者支援給付金の支給判定は、前年の所得などに基づいて毎年行います。

判定結果は10月分から翌年9月分まで反映します。要件に該当すれば受け取れますが、該当しない年は受け取れません。

また、恒久的な制度である公的年金と異なり、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」が廃止になれば年金生活者支援給付金は受け取れなくなります。

3.2 Q2.年金生活者支援給付金の手続きは?

すでに基礎年金を受給している人で新たに対象となった人や、65歳で老齢基礎年金の受給が開始した人(支援給付金の要件を満たす人)は、日本年金機構から送付される支援給付金請求書(はがき型)に必要事項を記入して返信すれば手続き完了です。

障害基礎年金や遺族基礎年金を新規に請求する場合は、年金請求手続きと同時に年金生活者支援給付金請求手続きをします。

3.3 Q3.年金生活者支援給付金の振込はいつですか?

年金生活者支援給付金の振込は、原則年に6回、偶数月の15日です。

年金受取口座に年金とは別に振り込まれます。年金受取口座を変更すると、年金生活者支援給付金の振込口座も自動的に変更されます。

3.4 Q4.年金生活者支援給付金が不該当になった理由はなんですか?

年金生活者支援給付金の支給要件を満たさなくなったからです。主な理由は次の通りです。

  • 基礎年金の受給が停止された
  • 同一世帯の人が市町村民税の課税対象となった(老齢基礎年金受給者)
  • 収入が増えて所得要件を満たさなくなった

3.5 Q5.年金生活者支援給付金額が変更になった理由は何ですか?

年金生活者支援給付金額は、物価の変動に応じて毎年変更されます。金額変更は4月支給分からで、実際の振込金額が変わるのは6月振込分(4月・5月分)からです。

また、障害基礎年金受給者については障害等級の変更があった場合、年金生活者支援給付金額も変わります。

4. まとめにかえて

前年の所得によっては、12月から老齢年金に上乗せして年金生活者支援給付金が支給される人がいます。対象者にははがき型の請求書が送付されるので、忘れずに手続きしましょう。

比較的新しい制度であるため制度内容がよくわからないという人もいますが、長期にわたって受給できる可能性もあるため、本記事を参考にして基本的な知識は身につけておきましょう。

参考資料

西岡 秀泰