3. 年金の平均額から手取り額を試算してみる

前述した年金の平均受給月額「14万3973円」から、実際の手取り額を試算します。この記事では、札幌市在住の66歳の独身男性を例に試算していきます。

なお、試算時に用いる控除や税率については以下のとおりです。

  • 公的年金等控除:110万円
  • 基礎控除(所得税):48万円
  • 基礎控除(住民税):43万円
  • 所得税率(195万円以下):5%
  • 住民税所得割:所得金額×10%
  • 均等割:5000円(森林環境税含む)
  • 住民税の税額控除の調整控除を除く

年金から差し引かれるお金の合計は、以下のとおりです。

  • 所得税:7383円
  • 住民税:2万4767円
  • 国民健康保険料:2万830円
  • 介護保険料:8万6588円
  • 合計(年額):13万9568円
  • 合計(月額):1万1630円

よって、手取り額は13万2343円となります。月額14万円の年金でも1万円以上の税金・社会保険料が引かれていくのです。

なお、年金支給は2ヶ月に1回ですから、もし手取り受給額が13万2343円の場合、実際には2ヶ月分の26万4686円のお金が振り込まれます。

そのため、2ヶ月間の生活費を26万円と貯蓄の取り崩しでやりくりしていかなければなりません。

4. まとめ

年金からは税金や社会保険料が差し枯れるため、給与と同じように額面そのままのお金を受け取れるわけではありません。

ねんきん定期便などの各種通知を見だだけでは、差し引かれる金額はわかりません。実際の手取り額は記載の金額よりもやや少なくなることをおさえておきましょう。

参考資料

石上 ユウキ